新型コロナまん延防止等重点措置は、今日(2021年4月12日)から東京、京都、沖縄が新たな適用地域として加わったが、具体的な防止対策はどうすればいいのだろうか。日本感染症学会指導医の水野泰孝医師は「感染症の専門家が直接現場で感染対策を指導することが重要」と語る。
4月3日、水野医師が訪れたのは東京都西新宿の野村マネジメントスクール。来月から受講生が集まる講座が一部再開されるが、その前に感染対策について指導を行った。
「現場を見ないとわからない」
最初に視察したのは大教室。主催者側は受講生が1.5メートル間隔で座り、前と左右にアクリル板を立てるという案を考えていたが、水野医師は「隣の人としゃべらない前提でアクリル板を立てるのであれば、席を詰めてもいい」という。換気については入り口にサーキュレーターを置き、50分ごとに5分の休憩時間を設け、受講生を教室外に出すことになった。
一方、6人ほどのグループに分かれてディスカッションを行う小会議室だが、水野医師は「やっぱり狭い。6人で1時間以上の会話というのはマスクをしていても気になる」と懸念。会場の設備を検討した結果、パーティションを外して広い空間に複数のグループを入れることに。隣のグループの声を防ぐために、密閉しないような仕切りを立てることになった。食事については互い違いに座ってパーティションを立てることで感染は防げるという。
検温については非接触型を過信せず、事前に接触型体温計で測ってもらうことが重要とも。
「どこまでやったらいいのか全然わかんなかった」というスクールのプログラムディレクター、河野俊明さんに対し、水野医師は「実際に現場を見ることでより細かい対策を立てることができる。パーティションを外せば広い部屋になるというのは現場を見ないとわからない」と語る。