大阪、兵庫、宮城に続いて、東京、京都、沖縄にも新型コロナウイルス感染の「まん延防止等重点措置」が適用される。さまざまな対策が実施されるのだが、しかし専門家はさほどの効果は期待できないと見ているのだ。
東京都モリタリング会議によると、きのう8日(2021年4月)に427人だった東京都の直近1週間の平均新規感染者数は、このままのペースでいくと2週間後に約500人、ゴールデンウイーク明けに約640人になるという。日本感染症学会専門医の佐藤昭裕氏はこれでも楽観的だという。「(感染力が強いといわれるイギリス型の)変異株は東京では感染者の30%程度ですが、これが50%、60%になるともっと急上昇になります」
加藤浩次「その手前で、みんなの努力で何とか...」
では、「まん延防止措置」で具体的にどんな対策が取られるのか。キャスターの森圭介アナは「飲食店の8時までの時短の要請・命令。従わない場合は20万円の過料。感染防止していない客の入店禁止。カラオケの自粛などが実施されます」と伝える。
小池東京都知事は「とにかく人流をいかに抑制するかです」というのだが、「自粛」を呼びかけてもほとんど効果がないことは、はっきりしている。政府分科会の尾身茂会長も「もはや言葉だけでは伝わらない」「やめてください、対策してください、では響かなくなっています」と危機感を募らせている。「まん延防止措置」で感染拡大を止めることは難しいということである。
では、さらに何をすればいいのか。佐藤昭裕医師は「感染対策はメリハリが非常に重要です。厳しい対策を短期間というのが効果的。第3波の時に緊急事態宣言が効果がなかったのは、きつくない対策を長くやってしまったことです。今回のまん延防止措置でダメなら、次は3度目の緊急事態宣言ですよということをもっと強く言う必要があります」と解説した。
でも、その宣言では止まらなくなっているということは、もはや打つ手なしということか。政策アナリストの石川和男は「警察官を街に立たせろ」という。「もっと強力な措置を国家権力としてやらないと、(危機感は)伝わらないと思います。東京や大阪の繁華街に、警察官などおっかない人にいてもらって取り締まるくらいのことをやらないとメッセージ性は弱い」
たしかにパリなどでは、警察官がマスクをしていない人に着用するように注意をしたりしている。司会の加藤浩次は「その手前で、みんなの努力で何とかということにならないかなあ」という。100年前のスペイン風邪は終息まで足かけ4年がかかっている。
(カズキ)