旅一座として日本中を回ることを決めた「家庭劇」。千代(杉咲花)は、旅立つ前にどうしてもみつえ(東野絢香)に自分たちの芝居を見てもらいたかった。一座は福富の焼け跡で、最後の道頓堀での公演を行うことにする。演目は『マットン婆さん』。みつえと戦死した夫・福助(井上拓哉)を結び付けた芝居だ。
芝居当日、「芝居を見たところで救われない」と、出かけるのを渋るみつえ。母親のシズ(篠原涼子)は言った。
シズ「あんたが救われるために行くんやあれしまへん。千代たちをあんたが救いますのや」
予想外の良い音が
半ば無理やり連れてこられたみつえは、芝居が始まっても表情を変えることはなかった。千代はどうしてもみつえの笑顔が見たかった。
その時、舞台上にみつえの息子・一福(西村竜直)が現れる。トランペットが吹けない一福にあえて吹かせ、笑いを誘おうという目論見だった。
ところが、トランペットからは予想外の良い音が鳴り響いた。千代は芝居を忘れ、思わず素になってしまう。
千代「鳴ったやん。すごいなあ一福!」
みつえ「あはははは!無茶苦茶やんか」
千代「やっと笑てくれた...」
生き生きと芝居をする千代たちをみて、シズが言った。
シズ「せやさかい言いましたやろ。あんたの笑顔があの人たちを救たんやで」
そして「家庭劇」は旅立ちの日を迎える。(NHK総合あさ8時放送)