インターネットを利用した会員制コミュニティー「オンラインサロン」の話題を、きょう7日(2021年4月)の「モーニングショー」が特集した。「新型コロナの影響もあって人気を集めていますが、一方で金銭トラブルも増加しています」とMCの羽鳥慎一が切り出した。
国内の市場規模は約86億円
オンラインサロンの仕組みは、参加者がサロンの主催者に会費を支払い、独自の情報やプライベートな話などを聞くことができるというサービス。新型コロナでネットの利用が増えたこともあり、オンラインサロンを運営する大手2社の会員数は、19年の計約8万7000人から1年間で計約16万5000人へと倍増。国内の市場規模は約86億円にのぼる。
番組では、オンラインサロンのひとつでトラブルにあった女性に話を聞いた。緊急事態宣言が出されていた昨年4月(20年)、自粛生活中に友人経由でオンラインサロンを知った。サロンの主催者である男性は「コロナをきっかけに地球上の善と悪が戦っており、今の金融システムが破壊され、イラクの(通貨)ディナールの価値が3000倍、4000倍になる」とメンバーに説き、ディナールの購入を勧めたという。女性も総額50万円をつぎ込んだ。「買っておきなさい、というあおりがすごくて。感覚がマヒしていたんでしょうね」。しかし、外貨の値段は下がる一方。女性は脱会し、他のメンバーと訴訟を検討しているという。イラク・ディナールをめぐる儲け話は、10年ごろから国民生活センターに何度も相談が寄せられている典型的な金銭トラブルの手口だが、サロンのメンバーは気づかなかったらしい。
番組はきのう6日(21年4月)、女性が参加していたサロンで主催者の情報源として登場していたX氏を直撃した。「俺、一銭もとってないからね。オンラインサロンに自分の考え方をぶつけただけ」「(ディナールを)買った人たちは自分の勝手」と開き直り、「実際、アメリカの現在の状況はバイデンさんじゃない。戒厳令のもとに軍事政権になっていますよ」と番組スタッフ相手に荒唐無稽な話を展開していた。
国民生活センターへの相談、「ここ数年増加傾向」
「国民生活センターに寄せられたオンラインサロンの相談は2020年度、約200件でここ数年増加傾向にあります」と斎藤ちはるアナウンサー。詐欺問題に詳しい松尾裕介弁護士によると、オンラインサロンは訪問販売や電話勧誘と異なり、利用者が購入するかどうかを考える時間が十分にあるとされ、クーリングオフの適用外となることが多いという。
浜田敬子(元AERA編集長)「陰謀論のような話をして、これを買っておけというようなお金にまつわるものや自己啓発系は、昔からトラブルがあった古典的な手口。それがオンラインという新しい手法と結びついたといえます。お金以外にも、閉ざされた空間なのでハラスメントが起きやすいなどの問題もあります」
玉川徹(テレビ朝日社員コメンテーター)「我々のようなテレビや新聞メディアを『マスゴミ』と呼び、ネットの中に真実があると過度に思い込む人がいますが、(ネットで)情報を出している人はどんな人か、その情報が間違っていたらペナルティーを受けるような人たちか、ということを考えてほしい」
(キャンディ)