飛沫対策シート「見落としがちな」点 設置の仕方次第では換気の妨げに

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   新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。元凶のひとつが「変異株」で、「従来のウイルスより3~5割感染力が高い」とされている。3月(2021年)には全国で変異株が原因の可能性が高いクラスターが相次ぎ、中でも愛媛では、松山市の繁華街飲食店10店舗で200人規模のクラスターが発生した。

   石井隆広アナウンサー「感染力が高いために、大規模なクラスターにつながりやすいという指摘もあるんです。いずれも感染対策は行っていたんですが、見落としがちな穴があったことが取材でわかりました」

  • 感染対策の「見落としがちな穴」とは(写真はイメージ)
    感染対策の「見落としがちな穴」とは(写真はイメージ)
  • 感染対策の「見落としがちな穴」とは(写真はイメージ)

換気扇も回っていたが...

   10人以上の感染者が報告された、佐賀県のカラオケ付き飲食店では、飛沫感染対策のため、客と客の間に天井近くまでビニールシートを設置。ステージと客席の間にもビニールシートがあり、換気扇も回っていた。

   順天堂大学大学院の堀賢教授は、「飛沫対策としてはよかったんですが、エアロゾル対策としてはあだとなってしまった可能性があります」と指摘する。エアロゾルは目に見えない小さな微粒子で、特に感染者が歌った時、唾液などに含まれるウイルスが煙のように広がるという。

   佐賀の店では、ビニールシートを天井近くまで設置したことでシートが換気を妨げ、エアロゾルが客の周囲にとどまって感染を引き起こした可能性があると分析した。

   石井アナ「この場合、もう数十センチ仕切りを低くしていれば換気が改善されたんじゃないかと指摘されています」

   変異株に備えて必要な対策のポイントとして堀さんが強調するのが、「飛沫とエアロゾル両方の対策を同時に正確に行う」ことだ。

   石井アナ「エアロゾル対策に最も大事なのが換気です。煙のような性質なので、換気をすれば取り除けます。飛沫対策は(人同士の)十分な距離を取ることです」

   飲食店などを「はしご」すると、感染する機会もうつす機会もどんどん増えるため、はしごはしない。感染が疑われる時は、保健所に利用施設を速やかに申し出る。前出の佐賀の事例では早い段階で把握できたため、感染が最低限に抑えられたという。

   石井アナ「堀さんによると、人口の7~8割の人のワクチン接種が済むまでは、こうした対策が必要になってくるということです」

(ピコ花子)

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