新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐための「まん延防止措置」が、きょう(2021年4月5日)から、大阪府、兵庫県、宮城県でスタートする。
吉村洋文・大阪府知事は「マスク会食を義務化したい」とする。
大阪市内の飲食店は、(1)20時までの時短営業(2)アクリル板の設置(3)マスクをしない客の入店拒否(4)マスク会食をしない客の退出、が義務とされる。吉村知事は、「政令の規定の中で、マスク会食は広い意味での義務化と言える」とし、繰り返し違反した場合は、店側に罰則の可能性がある、という。一方で、宮城県と兵庫県は、マスク会食を義務化せずに徹底を呼びかける。きょうから宮城県は仙台市に、兵庫県は、神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市に同措置を適用する。
マスク会食の義務化めぐり論議
ただ、マスク会食について、神戸市の久本喜造市長は、否定的だ。「マスクをつけたり外したりすると、マスクに付着したウイルスを触る可能性がある。かえって危険があり、マスク会食を市民に求めるつもりはありません」。これに対し、吉村知事は反論する。「(ウイルスの付着論は)きりがない。服にもついている可能性もある。代替措置はあるのか」。これについて日本医科大の北村義浩・特任教授は、「義務化に賛成だ。飛沫感染の方がはるかにリスクが高い」
大阪市の松井一郎市長は、感染防止措置を確認するために「見回り隊」を設置。大阪府市の職員4~50人規模で、大阪市内約6万軒の飲食店を一件ずつ訪問するとした。遵守できていない場合は店に是正を依頼する。大阪市内の飲食店では、見回り隊について「脅されているようで気分が悪い」、マスク会食義務は、「店が注意して、お客さんとトラブルにならないか心配」という。
コメンテーターの山口真由・弁護士「台湾や韓国はマスクの義務化などを個人に刑罰を課して守らせてきたが、日本は治安維持法の反省があって、個人に刑罰は課してこなかった。長期的にみると日本のやり方がいいと思うので、何とかここは今のやり方で乗り切りたい」。
大阪市高齢施設課の職員9人が3月26日18時過ぎから、焼き肉店で2時間半、マスクなし、卓上にアクリル板なしで送別会を行い、2人の感染が確認された。同日には同市建設局職員5人も堺市内の居酒屋で懇親会をし、3人の感染が確認されている。
羽鳥慎一「とにかく、役所はこういう歓送迎会やめてもらえないか、というしかない」
(栄)