今週も、私が番組を創るときに考えていたことを、述べたいと思います。
まずは「言うべき時には、ちゃんと言う」ということです。例として、1997年の「24時間テレビ」の制作に携わっていたときのことを挙げます。
番組パーソナリティーのKinki Kidsが歌を唄うときの衣装の件で、現場から「歌衣装(歌を唄うときに着る衣装)でやりたい」とジャニーズ事務所が言っていると聞いて、すぐにジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子さんに電話して、「24時間テレビの現場では、黄色いTシャツのままで唄ったほうが、むしろ"カッコイイ"」と伝えたところ、「わかりました」という返事をもらいました。
本番当日、驚いたのはKinki Kidsだけでなく、バックで踊るジャニーズ・ジュニアの全員が黄色いTシャツを着てくれたことでした。これには、スタッフも喜んでいました。
タレント起用に工夫を―自分の番組でスターに育てるのがカッコイイ
次に、「番組をやるスタッフは、放送を見るにしても、スタジオで見るにしてもいろいろな番組をよく見ていなければならない」ということが挙げられます。
特に、タレントさんはよく見ておいたほうがいいと思います。番組をやっていて一番"カッコイイ"ことの1つは、"売れるちょっと前"のタレントさんを連れて来て、自分の番組でスターにすることです。敢えて批判を恐れずに言えば、今のテレビは"既に売れている"タレントさんをキャスティングして満足しているところがあるのではないでしょうか。
もちろん"売れている"タレントさんを使うことも重要ですが、そのときにはそのタレントをブレークさせた番組のスタッフが見て、「こういう手もあったのか。"やられた"な」と思わせることが大事だと思います。
こういうことを、大事だと思ってここまでやって来ました。