可処分時間の奪い合いが進むテレビ 地上波はどうなる?

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   2016年から5年ぶりに「テレビウォッチ」の編集作業に携わり、この間大きく変化したことがある。当欄は地上波放送を主に対象にしているが、「天邪鬼」の筆者は、時にCS放送の番組を取り上げたことがあった。

   ところが、現在、プライベートに見る時間の多くは、ネットフリックスに占められている。

   そのほとんどが、韓国ドラマと韓国映画である。「愛の不時着」もブームになる前に、配信開始とともにリアルタイムで毎回視聴した。

   しっかりしたドラマの骨法、俳優陣の確かな演技など、彼我のドラマ制作の能力の差を見せつけられると、申し訳ないが、日本のテレビドラマを見る時間は、どんどん減っていった。

   こうした事態を、昨日(2021年4月1日)の朝のワイドショーのコメンテーターが、いみじくも指摘していた。

   テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」の「若者は動画の倍速視聴は当たり前 『内容だけわかればいい』という声」という見出しで紹介した記事だ。

   「20代の2人に1人が動画を早送りで見るそうです」と、司会の羽鳥慎一が視聴スタイルの変化を取り上げた。

   コメンテーターの石山アンジュさん(パブリックミーツイノベーション代表)が、「早送りはほとんど日常で、1・3倍で見ています。世界中のドラマがネットフリックスとかにあふれているので、時間がない。可処分時間の奪い合いです」と語っていた。

   まさに、その通りである。ここで、改めて日本の地上波テレビをうんぬんする気はない。事態はもはやBS放送、CS放送だけでなく、ネットとの激烈な「時間の奪い合い」が行われているのだ。各種の統計調査でもそのことは明らかになっている。

   あと5年後、地上波放送はどうなっているのか? 暗い気持ちで、コメンテーターの言葉をかみしめた。

   (テレビウォッチ編集部)

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