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間違いだらけの「日経電子版」三菱グループは社員に「滅私奉公」要求?

   週刊新潮が、デジタル化では朝毎読より早く手を付けた日本経済新聞が、今年元日の時点で、「日経電子版」の有料会員数が76万244人と、1年前と比べると会員を6万人も増やし、朝日新聞のデジタル版の会員数30万人を大きく引き離していると報じている。

   だが、新潮によれば、日経電子版には理解に苦しむミスが多いという。ビジネス総合紙「日経産業新聞」の昨年10月13日付の紙面で、三菱グループの指針である「三綱領」を取り上げているが、「諸事光明」が「諸事公明」に、「所期奉公」が「滅私奉公」になっていたという。ほかにもいくつか散見されるとして、その理由としては、速報性を重視し、実質的な校了がなくなったこと、訂正はいつでもできるという緊張感の薄れからではないかと指摘する。

   これは日経に限ったことではない。私はワープロで書いた後、必ずプリントアウトしてチェックするが、紙でなければ見逃してしまうデジタルの盲点がたくさんある。それでも、担当者からは誤字脱字が多いと叱られる。まだ人間の目がデジタル活字に慣れていないのだと思う。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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