4月1日(2021年)、自民党の自見英子参院議員、山田太郎参院議員ら有志の議員が菅義偉首相に「こども庁」の創設を求める提言をした。自見議員は「専任の大臣を置くことは必要。子供や女性が置かれている現状を鑑みると、一刻の猶予もない。首相には行政の縦割りを打破してほしいと強く申し上げた」と記者団に話した。
現状で、子供に関する政策は担当省庁がバラバラ。たとえば保育園や学童保育は厚生労働省、幼稚園や学校は文部科学省、子育て支援対策は内閣府、児童虐待などに関しては法務省や警察が管轄している。こうしたタテ割り行政を打破するために、提言では子供に関する政策を一括して担当する「こども庁」を創設すべきとしている。
菅首相は1日、官邸で自民党・二階俊博幹事長、林幹雄幹事長代理、森山裕国対委員長らと会談し、党に総裁直轄の機関を立ち上げ、議論を進めるよう要請した。二階幹事長は「子供は国の宝。しっかりやっていこうと言った」と話した。
専門的に対応できない問題も
確かに彼ら政治家の言っていることは耳障りがいい。しかし、菊地弁護士はこう指摘した。
「タテ割り行政の弊害を回避するというのは意味があると思うが、1つにまとめることで専門性に対応できなくなるという問題点もある。たとえば虐待では、最後は警察の力を借りなくてはならないのだから、ひとつにまとめて結果的にいいことなのか検証が必要ですね」
これにはMCの加藤浩次も納得し、「タテ割りのダメな部分が治っていくのはいいことだけど、1つになることでボヤっとした部分ができてしまうということですね。タテ割り行政をなくしていくことが大切ってことですね」とコメント。
菊地弁護士が「そうです。そのバランスが難しいということです」と指摘すると、加藤は「そこが大事だと思うな、うん」とうなずいていた。