知らない街にでる、ドラマとドキュメントが融合。ぼんやり見るにはうってつけ
<全っっっっっ然知らない街を歩いてみたものの>(フジテレビ系)

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   これまで清野とおるの漫画をドラマ化するのはテレビ東京と決まっていた。「山田孝之の東京都北区赤羽」も「その『おこだわり』、俺にもくれよ」も、「東京怪奇酒」も。ところが今回は違った。ドラマ化したのはフジテレビだ。主演はムロツヨシ。脚本はヨーロッパ企画の面々が日替わりで担当と、少しだけ豪華に......。

   ドラマは、といえば、漫画家・清野とおるが今まで足を踏み入れたことのない街を訪れるというもの。ムロ演じる主人公のセイノが「ある日、ふと思った。世の中は知らない街ばかりだ。長年住んでいる関東近郊に限っても、そのほとんどの街を俺は知らない。知らない街にはどんな光景が、どんな人が、どんな物語があるんだ。......でもそんなことどうでもいいか、どうでもいいか、どうでも......いや、知らない街を知らないまま死んでいくのは、なんか嫌だ!」と街に出るというスタイル。これまでの清野とおる原作ドラマ同様、ドキュメンタリーとドラマを融合させた独特のテイストに仕上がっている。

  • 番組サイトより
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埼玉にも「霞が関」...しかも霞が関ビルもあるとは...

   6夜連続で、初回は、清野が拠点とする赤羽から京浜東北線で3つ先の「上中里」編、さらに、「国道」編、「霞が関」編、「山田」編、「久留里」前後編というラインナップ。有名な名所ではないところが見どころ。

   たとえば、第3夜の「霞が関」編。ドラマの舞台は、あの誰もが知る「霞が関」ではなく、埼玉にある東武東上線の「霞が関」。北口に出ると、ほんとうに何もない。道を歩くおじいちゃんに訊くと、「あっちにガストがあるよ」と。そのおじいちゃん、どこかで見たことがあると思ったら、ビートきよしだ。セイノはなにか面白いものはないかと探し歩くが、団子屋と、狭山茶の販売所しかなく、公園で狭山茶を飲む妄想に浸っていると、再び登場したガストじいさんの「ガストなら今の時間、生ビール200円だよ」という声に負けて、ガストで生ビールを飲み、「ファミレスは間違いないね」と呟く。知らない街に来たのにチェーン店の「ファミレス」に入るという敗北感をムロが絶妙の表情で見せる。

   埼玉にも「霞が関」があるというのも知らなかったが、そこに本家と似ても似つかぬ「霞が関ビル」があったのには笑った。

   セイノが入る店入る店、自転車で日本一周しているナガノくん(中川大志)の写真が置いていて、セイノをイラっとさせているのが、最終回までに、この2人が出会うかどうかも楽しみ。

   これから、季節もよくなるし、ひとりで知らない街を散歩するのもいいかもしれない、などということを考えながら、ぼんやり見るにはうってつけだ。(3月28日24時30分~ 6夜連続放送)

くろうさぎ

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