昭和16年の暮れに始まったアメリカとの戦争は、初めは大勝利で沸くも戦況は大きく変わっていた。開戦から3年後、昭和19年1月、鶴亀家庭劇では相変わらず愛国ものの芝居を続けていたが、客の入りは悪く半減していた。
一方、福富楽器店は、敵国アメリカの音楽であるジャズのレコードの販売が禁止され、店内は軍歌一色となって様変わりしていた。
岡安ではシズが店をたたむことを決意する
そんなある日、千代(杉咲花)と鶴亀家庭劇の座長・天海一平(成田凌)の家に、幼なじみの富川福助(井上拓哉)が自分に届いた召集令状を持って、訪ねてくる。
芝居茶屋「岡安」では、女将の岡田シズ(篠原涼子)が店をたたむことを決意し、その準備を進めていた。千代は座布団を一緒に片付けながら悔しい思いでシズにたずねる。
千代「ホンマに、良かったんだすか?」
シズ「岡安が続けてこられたのは、家庭劇を見にやって来るごひいきさんのおかげや。千代、ホンマにおおきにな」
千代はあふれる涙を座布団で隠すのだった。
(NHK総合あさ8時放送)