今週は、私が実際に番組を創っているときに考えていたことについて、お話ししたいと思います。
話に入る前に自己紹介を簡単にすると、私は日本テレビ時代、制作のチーフプロデューサー、ドラマ制作部長・編成局長、制作局長、報道局長等40年以上、いろいろな形で番組の制作に携わってきました。
まず、出演者と我々スタッフの関係の基本的な考え方については、このコーナーで何回か取り上げさせてもらいましたが、日本テレビの有名なプロデューサー細野邦彦氏が、入社して間もない私に言った言葉が端的に表しています。
「出演者と演出スタッフの間には、"企画"という川が流れている。その川をはさんで、対岸で握手するのが出演者と演出家だ」
これは、本当に"言い得て妙"な表現で、あくまでも、「出演者と演出家の間では"企画"が最も重要」ということなのです。
出演者サイドの要望にはできるだけ早く返事をする
次に、いつも私が心がけていたことですが、出演者サイドから、何か頼まれ事をされたときには「できる・できないを極力早く言う」ことです。できないとはっきりわかっているのに、ぐずぐずと返事を先延ばしすることは、良くありません。
また、「汗をかく」ということも大事です。私が、今でもはっきり覚えているほど感動したことがあります。私がある方に新番組の1回目の出演をお願いするために、バーニングプロの周防郁雄社長を訪問したところ、目の前で早速、自分で電話を何件かして熱心に頼んでくれたのです。「わかった」と言って「後で連絡する」こともできるのに、目の前ですぐに対応してくれました。
結果は、出演はしてもらえませんでしたが、「汗をかく」ことが大事だと、わかりました。次週も「番組の創り方」について、私の思うところをお伝えします。