新型コロナウイルスの感染者数が「きのう25日(2021年3月)も各地で過去最多が確認されました」と、司会の羽鳥慎一が深刻な表情で伝えた。山形県は過去最多の49人、隣の宮城県は過去2番目の161人。愛知県は79人、大阪府は266人と、ともに緊急事態宣言解除後最多。こんな危うい状態なのに、各自治体と政府の緊張感・危機感に食い違いが出ている。
宮城県はきのうから仙台市内の酒類や接待を提供する飲食店1万店舗に午後9時までの時短営業を要請、山形県では吉村美栄子知事が「宮城県との往来は可能な限り控える」ことを県民に求めた。政府コロナ対策分科会の尾身茂会長も「宮城県と国にまん延防止等重点措置(まん防)をふくむ強力な対策を実施してほしい」と語った。愛媛県の中村時広知事は「感染は第4波に入った」としている。
西村康稔・経済再生担当相は「ひっ迫の状況ではない」
一方、政府の西村康稔・経済再生担当相はきのうも、「ひっ迫の状況ではない。今ただちにまん防が必要ではない」との認識を示した。「政府は遅すぎる。対策は早く、強くやってこそ効く」と、日本医科大学の北村義浩特任教授は指摘する。
吉永みち子(エッセイスト)「各地の市長や知事が一生懸命にアピールしているのに、政府はなんのためにまん防を作ったのか。対策を遅く、弱くすると(感染が)長引く。政府がどうして方針を変えないのか、本当に不思議です」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「宮城、山形、愛媛、大阪はもう第4波の認識です。検査と保護隔離しかないと分科会が打ち出したのに、政府は当初から検査抑制策をとってきた」
こうして、政府の対策はいつまで後手に回るのだろうか。