銃を構える警察官を前に逃げ惑う若者たち。今月20夜(2021年3月)の米フロリダ州のマイアミビーチで撮影された映像だ。マイアミビーチ市では若者の路上パーティが感染を広げているとして、午後8時以降の外出制限命令を発出したが、若者たちは「制限なんて無視。外に出ちゃうよ」とパーティを続行。マスクをつけている人はごく少数だ。市長は「夜の街が制御不能になっている」と警官隊を出動させた。
英ロンドンでは、政府の行動制限に反発してデモが行われたが、「恐怖より自由を」などのプラカードを掲げる参加者たちの中に、マスク姿の人は一人も見えない。集会が禁じられている仏マルセイユでも「あらゆる規制に反対する」として6500人が無許可でカーニバルを開催。この騒ぎで9人が逮捕され、現地当局は主催者の特定に乗り出すなど、世界各地でマスクに対する反動が広まっている。南米チリでは、密集した室内でマスクを着けずダンスに興じる若者たちの姿も撮影されている。
ワクチン接種率高まるチリでは、逆に感染者急増
これらの国ではワクチンの接種も進んでいるのだが、逆にそれが思わぬ弊害を呼んでいるという指摘もある。3月21日-22日時点でのワクチン接種率は、アメリカ37.83%、イギリス44.6%、フランス12.66%、チリでは45.65%だが、チリでは今年に入って感染者が急増している。ワクチンは接種してもすぐには免疫ができるわけではないのだが、接種したことでどうしても気が緩んでしまう。さらに、チリでは繰り返されるロックダウンでメンタルが厳しいとして、無期限の移動が可能になったことが感染増の原因と考えられている。
小倉智昭キャスター「去年の1月2月は、マスクはあんまり意味がないという議論も日本で広がっていた。しかしそれから1年、今度はマスクをめぐってデモや暴動が起きている」
二木芳人(昭和大学教授)「ワクチン接種から免疫ができるまで2週間程度と報告されている。発症や重症化は防げるが、免疫がどれだけ持続するか、感染を防げるかはまだわかっていない。変異株も出ているので、みなさんもうひと頑張りしてほしい」
デーブ・スペクター「日本の接種の遅れ、検査の少なさは海外から不思議に思われている。オリンピックのためと先入観も持たれていて、このままで大丈夫かなと思う」