水卜麻美アナが「ライン側からの委託を受けてシステム開発を行っていた中国の関連企業の技術者4人が、トーク履歴などの情報を閲覧できる状況にあったことが先週明らかになりました」と切り出した。この問題ではすでに総務省や厚労省、自治体がラインのサービスを一部停止するなど様々な影響が出ている。
ラインによると、日本のサーバにあったのは利用者の名前、電話番号、トーク履歴、友達関係など。これらが閲覧されることでどんなリスクが考えられるのか。
ネットセキュリティに詳しいNTTデータの新井悠さんは、個人情報がダイレクトメールなどに悪用されてしまうリスクを指摘。さらに、中国国内の企業に協力義務を明文化した「国家情報法」についても懸念する。中国の技術者たちも、トーク履歴や個人情報の入手など中国政府に協力する可能性があるというのだ。
読み取り防止「レターシーリング機能」も100%安全ではない
ラインにはトーク履歴を暗号化し、読み取られるのを防ぐ「レターシーリング」機能があるが、これをオンにしていても安心はできない。新井さんは「トークの内容は当事者間でしか読めないのですが、画像や動画は別のところに保存されているので、暗号化されているか分からない」と言う。
また、トーク相手もこの機能をオンに設定する必要があり、グループ内で1人でもオフになっていると有効にならない。
司会の加藤浩次「中国からのアクセスを遮断はもっと早くできたのではないのでしょうか」
新井さん「プライバシー情報の保護も大切ですが、一方でそういった情報へのアクセスをある程度有効に活用することで、新しいサービスやソフトなどを開発することができる可能性もある。そのバランスをどう取るのかに葛藤があったのではないでしょうか」
加藤「僕は、個人情報が漏れないというのは根本だと思う。それが守れていないと信頼は失われてしまうと思うのですが」
新井さん「今回の件をきっかけに個人情報を守ることを優先するのか、それとも『こういうことに使う』と開示して了解を得るのか。みんなで合意を取っていくのが大切です」