LINEの個人情報が中国、韓国にダダ漏れ? 総務省は運用停止 そして誰もいなくなったジャニーズ事務所...V6がようやく解散

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   LINEが中国の関連企業からアクセスできる状態に"放置"されていたと朝日新聞がスクープした。

   総務省はあわてて採用活動や意見募集などで使っている同社のサービスの運用を停止する考えを示したが、後の祭りである。また朝日は、メッセージをやり取りする「トーク」に投稿された画像や動画は、韓国内のサーバーにあり、子会社社員がアクセス権を持っていると続報している。

   日本のアクティブユーザーは8400万人といわれるLINEだが、プライバシー情報がダダ漏れになっていたかもしれないのだ。政府は、すぐにLINEの使用を控えるよう声明を出し、責任者を国会に呼んで、本当に中国側に情報が盗み取られていないのか、今後の対策をどうするのかを聞くべきである。

   Yahoo!と統合するにあたってもLINE側は、中国・上海にある子会社のことをいわなかったという。LINEは元々韓国の子会社だからとはいわないが、国民の個人情報が他国のサーバーにあったり、対立している国の人間がアクセスできるというのでは、信用できないではないか。

   IT超後進国だから、この問題についてイマイチ盛り上がっていないようだが、この際、GAFAの個人情報の取り扱いについても、各社に問い質し、真剣に議論するべき時だと思う。

日本のワクチン確保が遅れた理由

   この国のコロナワクチン確保がG7の中で最も遅れたのは、諜報活動をしなかったからだと、新潮で国際ジャーナリストの山田敏弘がリポートしている。

   山田によれば、イスラエルがワクチン開発に成功したイギリスやアメリカよりもワクチンの接種率が58%と高いのは、彼の国の諜報特務庁、通称モサドが動いたからだという。

   わずか1500人から2000人の組織だが、世界で最も優秀だといわれる。モサドは昨年、中国などのワクチン情報を入手し、生物学研究所で分析したそうだ。どこの製薬会社がゴールに近いかを政府に上げ、ネタニヤフ首相自らが製薬会社に電話をかけたこともあった。

   そこで高い値を示して、どこよりも早く数量確保に成功したという。また、さかのぼる昨年3月には、コロナ禍に備えるために人工呼吸器や検査キッドを諸外国からかき集めてもいたそうだ。

   密かにアラブ首長国連邦と接触し、軍事物資や兵器などを提供する代わりに医療物資をもらったというのである。

   アメリカのCIAも動き、ロシアでも国家的なハッキング集団がイギリスやアメリカのワクチン開発を行う組織を標的にしたそうだ。そうしたこともあったのか、昨年8月にロシアは「スプートニクV」と命名したワクチンを完成させた。中国も同様である。

   日本ではようやく、バラバラのワクチンに関わる省を統合してワクチン担当大臣を新設したばかりである。これではインテリジェンス機関が暗躍しているワクチン獲得戦争に勝てるわけはない。

   その河野太郎担当大臣だが、変人という噂はあるが、奥さんの情報は少ない。新潮は、香夫人は"超常識人"で、中学生の時、恩師のことを作文で書いて、中学の芥川賞といわれる「中学生文学賞」大賞を受賞していると報じている。

   聖心女子大を卒業後、モルガン系銀行に勤めている。彼女の兄と河野が慶應同窓で、その縁で知り合ったが、一目惚れした河野が、彼女が通勤する駅の改札で待ち伏せするなど変人ぶりを発揮して、目出度くゴールインしたそうだ。

   地元の支援者たちを回って内助の功を発揮しているそうだが、「出しゃばらず、腰の低い方」(選挙区の自民党関係者)だそうである。

菅降ろしの怪文書出回る

   さて、菅首相は緊急事態宣言を3月21日で解除すると発表した。自ら率先して解除というわけではなく、追い込まれて仕方なくという見方が多い。

   なぜ追い込まれているのか。ポストによると、3月初旬に議員会館の自民党事務所に配られた一通の怪文書に、その答えはあるという。

   そこには東京五輪が閉会した後の政治日程が書かれ、自民党総裁は9月30日で任期満了、衆議院議員は10月21日に任期満了だとして、その日に衆院を解散した場合、11月28日が投開票になる。これが菅降ろしだと受け止められているというのである。

   なぜなら、総裁選で不人気な菅に替えて選挙に強い新総裁を選び、その後に解散することができるからだ。政治ジャーナリストの藤本順一は、こう指摘する。

   「総務省の接待問題など政権不祥事が発覚した背景には霞が関の造反があると見られており、それと自民党内のアンチ菅勢力が手を組んで仕掛けているとすれば、根は深いのではないか」

   不祥事続出にコロナ対策でも指導力を発揮できずにいるのに、メディアの世論調査の数字ばかりを気にする。まるで支持率に動かされているようだと現代は揶揄している。

   こうした菅の言動を見ていて、「『知性の敗北者』である」と批判するのは、哲学者の岸見一郎だ。

   「総理は緊急事態宣言の延長について、1都3県の知事に先を越されるのを恐れたとされています。これは世論を気にしていながら、結局は国民のほうを向いていないということを意味しています。

   自分が無能だと思われたくないという虚栄心のもと、科学的根拠や信念ではなく、ただ自身のプライドを守るために『独断』で決めたのでしょう。

   哲学者の三木清は、『独断家は甚だしばしば敗北主義者、知性の敗北者である』と断じています。菅総理は独断家と言えます。独断家は自分が間違った時も認められず、虚栄心から批判を恐れ、深く考えることもなくさらに間違った決断を下してしまう。それゆえ、『知性の敗北者』なのです」

   菅に知性があるのか、そこのところが一番の問題だと、私は思うのだが。

大手新聞や民放キー局の「波取り記者」

   菅政権を揺るがしている総務省スキャンダルだが、その中でメディアが触れない重大な問題があると、ポストが報じている。

   高橋洋一嘉悦大学教授が指摘する。

   「放送や通信に利用される電波(周波数帯)は大きなビジネスを生むため、先進国ではどの事業者に電波の利用権を与えるかを入札で決めるが、日本は総務省が割り当てる。(中略)役人の裁量で電波の割り当てを決めるという利権構造にこそ問題の本質がある」

   欧米のようにオークションを導入すれば2兆円の国庫収入を生み出すといわれるそうだが、総務省はその裁量権で、メディアの首根っこを押さえることができるのだ。

   欧米では規制されているが、日本では新聞がテレビ局を系列化することが認められている。そのために、新聞も自由にものがいえないのだ。

   大手新聞や民放キー局には記事を書かない「波取り記者」というのがいる。総務省から電波の割り当てをもらうのが役目だから、そう呼ばれるのだ。

   総務省の記者クラブに各社最低1人はいて、役所の審議会や研究会に参加できるそうだ。

   テレビで政権批判などをやると、「電波停止もあり得る」などと総務相が居丈高にいい放つのは、メディアなどいつでも潰せると考えているからだ。なかでも菅は、その"権力"を使って、総務省を意のままに動かし、メディアをコントロールしてきた。

   高橋嘉悦大教授は、「新聞やテレビは総務省の接待問題は報じても、波取り記者の存在は隠している。恥ずかしくないのでしょうか」と批判する。

   恥ずかしいと思ったら、メディアになんかいられないだろう。

JTBと毎日新聞「減資」のカラクリ

   恥ずかしいといえば、JTBの「減資」もそうである。現代がこう難じている。

   JTBは'20年3月期の売り上げは旅行業界でダントツの1兆2885億円、グループ会社を含めた従業員数は約2万7000人で資本金は23億400万円。その巨大企業が、3月31日をもって、資本金を1億円にして税法上は「中小企業」となるのである。

   「資本金とは、企業が株主から出資を受けたカネを指す。資本金が1億円以下だと中小企業となる。現在のJTBも当然、税法上では大企業だ。

   「今回の減資の目的は、中小企業だけが受けることのできる複数の税制上の優遇、つまり『税逃れ』を狙ったものではないかという指摘がある」(現代)

   なぜこんなことを? 公認会計士の佐久間裕幸がこう解説する。

   「最も大きいメリットは、外形標準課税の免除です。法人事業税の一つで、人件費などを基準に算出されます」

   給与などの人件費は1.2%が企業に対して課税されるが、対象は資本金1億円を超える大企業のみ。佐久間が続ける。

   「従業員の数や販管費などから、JTBの人件費は1000億円を超えると推測されます。それを基に試算すると、中小企業化によって、JTBは約12億円分の税金の支払いを回避できる。

   JTBの売上高は1兆円を超えますが、店舗の賃料などの営業コストが高いことで収益率は低く、'20年3月期の税引き前純利益はわずか56億円です。12億円の税金を払わなくて済むかどうかは、大きな問題なのです」

   現在の税制では減資を行っても、実際の経営実務におけるリスクはほとんどないというのだ。当然、企業の評価やブランド価値が毀損するリスクはあるが、今のJTBにはそんなことを考える余裕も品性もないのだろう。

   毎日新聞も1月15日の臨時株主総会で41億5000万円の資本金を1億円に減資することを決定した。これも、税制上の優遇を受けることを狙ったものだろう。

   「シャープが減資を画策した当時、毎日新聞は『節税目的の減資』だと批判を浴びせた。まさにブーメランだ。『貧すれば鈍する』の言葉どおり、今後、他企業や政治家による税逃れ行為が起きた時、『公器』毎日新聞は、彼らを批判することができるのだろうか」(現代)

   言行不一致はメディアの得意とするところである。

   トヨタの豊田章男社長の長男・大輔(32)がタカラジェンヌの星蘭(せいら・26)と5月上旬に結婚式を挙げるという。これも文春のスクープである。  彼女は幼稚園から学習院に通い、秋篠宮の次女の佳子さんとご学友だという。宝塚では「宝塚のヘップバーン」といわれていたそうだ。昨年11月に突如退団。結婚して家に入るようだ。

   彼は現在、静岡県裾野市の工場跡地を、自動運転やAI、スマートホームを生かした2000人規模の街「ウーブン・シティ」にする中核会社の代表取締役。章男社長の後継者として、着々と歩んでいるようだ。

   そして誰もいなくなった。ジャニーズ事務所のことである。25年もダラダラ(失礼!)と続いてきたV6がようやく解散する。

   私が知っているのは井ノ原快彦(44)、森田剛(42)、岡田准一(40)だが、ほとんどのメンバーが外の世界で活躍している。

   文春が書いているように、6人のうち4人が既婚者で、妻全員が有名女優というのだから、ジャニーズ事務所の中でも異色だった。

   解散する6人はいいが、事務所としては、SMAP、TOKIO、「嵐」ときてV6もいなくなるのでは......と嘆いていることだろう。あと数年もすれば、昔、ジャニーズ事務所というのがあったなと、ファンたちの思い出の中だけで生き残るのかもしれない。(文中一部敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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