JTBと毎日新聞「減資」のカラクリ
恥ずかしいといえば、JTBの「減資」もそうである。現代がこう難じている。
JTBは'20年3月期の売り上げは旅行業界でダントツの1兆2885億円、グループ会社を含めた従業員数は約2万7000人で資本金は23億400万円。その巨大企業が、3月31日をもって、資本金を1億円にして税法上は「中小企業」となるのである。
「資本金とは、企業が株主から出資を受けたカネを指す。資本金が1億円以下だと中小企業となる。現在のJTBも当然、税法上では大企業だ。
「今回の減資の目的は、中小企業だけが受けることのできる複数の税制上の優遇、つまり『税逃れ』を狙ったものではないかという指摘がある」(現代)
なぜこんなことを? 公認会計士の佐久間裕幸がこう解説する。
「最も大きいメリットは、外形標準課税の免除です。法人事業税の一つで、人件費などを基準に算出されます」
給与などの人件費は1.2%が企業に対して課税されるが、対象は資本金1億円を超える大企業のみ。佐久間が続ける。
「従業員の数や販管費などから、JTBの人件費は1000億円を超えると推測されます。それを基に試算すると、中小企業化によって、JTBは約12億円分の税金の支払いを回避できる。
JTBの売上高は1兆円を超えますが、店舗の賃料などの営業コストが高いことで収益率は低く、'20年3月期の税引き前純利益はわずか56億円です。12億円の税金を払わなくて済むかどうかは、大きな問題なのです」
現在の税制では減資を行っても、実際の経営実務におけるリスクはほとんどないというのだ。当然、企業の評価やブランド価値が毀損するリスクはあるが、今のJTBにはそんなことを考える余裕も品性もないのだろう。
毎日新聞も1月15日の臨時株主総会で41億5000万円の資本金を1億円に減資することを決定した。これも、税制上の優遇を受けることを狙ったものだろう。
「シャープが減資を画策した当時、毎日新聞は『節税目的の減資』だと批判を浴びせた。まさにブーメランだ。『貧すれば鈍する』の言葉どおり、今後、他企業や政治家による税逃れ行為が起きた時、『公器』毎日新聞は、彼らを批判することができるのだろうか」(現代)
言行不一致はメディアの得意とするところである。
トヨタの豊田章男社長の長男・大輔(32)がタカラジェンヌの星蘭(せいら・26)と5月上旬に結婚式を挙げるという。これも文春のスクープである。 彼女は幼稚園から学習院に通い、秋篠宮の次女の佳子さんとご学友だという。宝塚では「宝塚のヘップバーン」といわれていたそうだ。昨年11月に突如退団。結婚して家に入るようだ。
彼は現在、静岡県裾野市の工場跡地を、自動運転やAI、スマートホームを生かした2000人規模の街「ウーブン・シティ」にする中核会社の代表取締役。章男社長の後継者として、着々と歩んでいるようだ。
そして誰もいなくなった。ジャニーズ事務所のことである。25年もダラダラ(失礼!)と続いてきたV6がようやく解散する。
私が知っているのは井ノ原快彦(44)、森田剛(42)、岡田准一(40)だが、ほとんどのメンバーが外の世界で活躍している。
文春が書いているように、6人のうち4人が既婚者で、妻全員が有名女優というのだから、ジャニーズ事務所の中でも異色だった。
解散する6人はいいが、事務所としては、SMAP、TOKIO、「嵐」ときてV6もいなくなるのでは......と嘆いていることだろう。あと数年もすれば、昔、ジャニーズ事務所というのがあったなと、ファンたちの思い出の中だけで生き残るのかもしれない。(文中一部敬称略)