21日に緊急事態宣言は解除されるが、街はもう「ゆるみ」っぱなし

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   3月18日(2021年)に菅義偉首相は、首都圏に発出している緊急事態宣言を3月21日に解除すると発表したが、1都3県の知事は意見交換の場でリバウンドへの危機感について言及していた。東京都のモニタリング会議では国立国際医療研究センターの大曲貴夫医師が「今週は新規陽性者数の増加比が100%を超えている。今後変異株等による急激に感染の再拡大が起こる可能性がある」と報告。

   そんななかで菅首相が打ち出した宣言解除後のリバウンド対策が「5本の柱」だ。その内容は、①飲食の感染防止、②変異株への対応、③戦略的な検査の実施、④安全迅速なワクチン接種、⑤医療体制の強化である。分科会の尾身茂会長は、5つの柱を成功させるためには「市民の協力が今まで以上に重要となる。リバウンドを防ぐためには今まで以上に汗をかく局面だというのが諮問委員会の結論」とした。

   だが、リモート出演した分科会メンバーで東京財団政策研究所研究主幹の小林慶一郎氏は「国民にこれ以上行動の努力や我慢を求めるのは限界。国と自治体が汗をかき国民の理解を得るべき」と指摘。

   小林氏の指摘通り、「緊急事態宣言慣れ」としかいいようのない「ゆるみ」が見えるという声が、多くの飲食店員から聞かれた。18日夜、都内の公園ではいくつものグループが酒を飲みながら騒いでいた。時短営業をしていない店には多くの客が行列して、店からあふれ出ているほど。時短に応じている焼き鳥店員は「缶ビールを閉店後の店の前で飲んでいるようだ。翌朝、空き缶が散乱して片付けるのが大変」、居酒屋店員は「3月に入り客は倍増した。4人で来て大声でしゃべり、周囲の客が帰ってしまったとか、7時過ぎに仲間から遅れてきた人が"1杯くらいいいじゃないか"と言ってくるようなことが、この1週間ぐらいで増えた」と話す。また「24時間営業している居酒屋が行列になっており、クラスターになってもおかしくないと思う。ゆるみを感じる」という寿司店員もいた。

GOTO再開していた宮城県は独自の緊急事態宣言発令

   緊急事態宣言解除に動いた1都3県とは逆に、宮城県は独自に4月11日までの緊急事態宣言を発令。宮城県では2月23日にGOTOキャンペーンのプレミアム商品券を再開していた。感染者数が増えたため3月16日にキャンペーンを中止したが、17日に新規感染者が107人、18日も98人と急増したためだ。

   MCの加藤浩次は「このままだと、8時以降はコンビニでもお酒を売らないなんて状況になりかねない」と警鐘を鳴らす。

   エッセイストの犬山紙子は「宮城のGOTO再開での感染拡大から東京も学ばなければならない。GOTOの形での支援より補助金を出す方向のほうが良いのではないか」と指摘。

   分科会メンバーの小林氏は「感染症に強い社会を目指すというのは、元に戻ることではなく変わっていかなくてはならないということ。制限の中で経営が成り立たない店は、続けるならデリバリーに対応するなどビジネスモデルを変えてもらうという厳しい選択が必要」と話したうえで、「GOTOでは店内での飲食にのみお金がつくことになっているが、これを店外、デリバリーやテイクアウトにも使えるようにすれば支援になる。GOTOの設計を変えるのも一案」と指摘した。

   加藤浩次は「緊急事態宣言を解除すれば人流が増えるのは間違いない。対策をより強力に進めていくしかありませんね」とコメントした。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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