1都3県の緊急事態宣言は21日に解除へ 専門家が考えるリバウンド防止策とは

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   3月17日(2021年)夜に菅義偉首相が「今月21日に期限を迎える緊急事態宣言を解除する方向で専門委員会の先生に意見を伺ったうえで判断したい」と話した。その言葉通り、3月18日午前に開かれた政府の諮問会議で、首都圏の1都3県に出されている緊急事態宣言を21日に解除することが了承された。

   だが、17日の東京都の新規感染者数は409人と増加傾向にあり、専門家からはリバウンドへの懸念の声も聞かれる。なのになぜ、解除の方針を打ち出したのか。日本テレビの山崎大輔官邸キャップは「自民党幹部は400人という数字を見て手詰まり感がある、これ以上宣言を長引かせても新規感染者数は減らないだろうと苦渋の決断をした」と分析。

   分科会メンバーで東京財団政策研究所研究主幹の小林慶一郎氏は「国民の我慢で感染者数を減らすことには限界にきている」と指摘。

   街で意見を聞くと多くは解除の必要性を訴えたが、飲食店経営者にはまだ不満があるようで、「解除はありがたいが、時短が1時間延びただけ。1時間延ばしたところで気が緩むことはない」「時短要請の協力金が4万円に減額されるが、1時間延長しただけで減らされた2万円は回収できない」と言う。

   国立感染症研究所の脇田隆字所長は17日に、「緊急事態宣言の解除がリバウンドを誘発することへの懸念に留意が必要。都市部においてはすでに"リバウンド"が生じ始めているのではないか。変異株の心配もある」とした。また、東京都の担当者からは「第4波がすでに来ているのでは」との声もあった。

   経営コンサルタントの坂口孝則は「延長した時も今回の解除についても、科学的というより政治的という感じがある。単に解除するというのではなく、頑張っていこうというメッセージが欲しかった」とコメント。

   日本テレビ報道局社会部解説委員の下川美奈は「感染者数は全国的に増えてきている。昼カラオケなどへの対策やPCR検査の徹底とか具体策を示さないといけなかった。緊急事態宣言は役割を果たして、次の段階に入った」。

   MCの加藤浩次も「専門家10人のうち9人が解除すべきと言っていた。効果のないまま宣言を続けても意味はない」と話した。

   感染症専門医の水野泰孝医師は「緊急事態宣言が解除されたからといって、何をやってもいいわけじゃありません。一部の気分が大きくなってしまう人に、メッセージを以下に伝えるかが大切になってくる。仲間どうして注意し合うクロスモニタリングが重要になってくると思う」と話した。

人数制限が効果的か

   スッキリではほかの専門家4人にもリバウンド防止策を専門家に聞いた。

   厚生労働省クラスター対策班で東北大学の小坂健教授は「人数制限が最も効果的。会議は8~10人までで、それ以上はオンラインとか。まずは国会で見本を見せていくことが大切。飲食でも4人までを守れなければペナルティを科すなどの人数制限が有効」とコメント。日本感染症学会専門医の佐藤昭裕医師も「ワクチン接種率が6割になるまでは、飲食店の入店人数の制限が必要」と話した。日本医科大学の北村義浩特任教授も「解除するのであれば、マスク会食や飲食店の入店人数制限の徹底などの対策が必要。定員20人を10人にすれば10時まで営業OKなど、アメとムチ的な対策が必要」と指摘。順天堂大学大学院の堀賢教授は「国民の公衆衛生教育を充実させることが不可欠。これが正しくできれば営業時間制限などいらない」と指摘する。

   ハリセンボンの近藤春菜は「店が客に注意しづらい部分があるので、客同士が協力して注意し合うのは大事。それで経済が回ればいいと思う」とコメント。

   分科会メンバーの小林慶一郎氏によると、「高齢者施設へのPCR検査を4~6月にかけて定期的に行い、変異株の検査を現時点で感染者の5~10%で実施しているが、これを40%まで拡充すること」が打ち出されるという。

   加藤は「誰かを責めてしまうのが人間。でもそういうふうにだけはならないようにしないといけない」とまとめた。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
姉妹サイト