東京五輪・パラリンピック開閉会式の演出責任者、佐々木宏氏(66)が女性タレント、渡辺直美さんの容姿を豚にたとえて侮辱するようなメッセージをLINEで送っていたと、文春オンラインがきのう17日(2021年3月)に報じた。佐々木氏は辞意を表明し、東京オリンピックは森喜朗前会長の女性差別発言に続いて混乱続きだ。
「オリンピッグ」のダジャレを使う案
佐々木氏がきのう深夜に発表した謝罪文によると、昨年3月、開会式のアイデアをスタッフとやり取りするグループラインの中で渡辺さんをオリンピックの使者役にして「オリンピッグ」のダジャレを使う案を佐々木氏が出した。スタッフからは「ピンとこない」「女性を豚に例えるなんてありえない」「言ってはいけない」との反応を受けたという。
東京五輪組織委員会の関係者の間からは「女性問題以前に人権問題」「森前会長の発言よりひどい」の声が上がっている。橋本聖子会長はIOC(国際オリンピック委員会)幹部と協議し、佐々木氏は退任する見通しとなった。
高木美保(タレント)「女性は豚に例えられると絶対に傷つく。佐々木氏がこれまで言ってきたジェンダーや多様性の認識はお題目だったのだろう」
西田亮介(東工大准教授)「論外。こういったものは社会的に受け入れられない。発言は私信に近いものだが、世間が許さないところから辞めると判断したのだろう」
佐々木氏は過去に大手広告代理店で多くの有名CMを手がけてきたクリエイター。野村萬斎氏らとともに演出責任者に選ばれたが、野村氏のチームが去年12月に解散したため、演出責任者は一人だけになっていた。
東京オリンピックは、新型コロナウイルス感染懸念だけでなく、フランスの検察当局が捜査する招致疑惑や、エンブレムの盗作問題、森前会長発言とおかしなことが続出。今度の佐々木氏の一件で「五輪開会式の4カ月前に演出責任者がいません」(司会の羽鳥慎一)という異様な状態だ。