イギリスのアストラゼネカ社が開発した新型コロナワクチンで接種後に血栓が発生したという報告が相次ぎ、ドイツやフランスなど欧州の20カ国で使用を見合わせる動きが広がっている。一方、欧州医薬品庁(EMA)は日本時間のきのう16日夜(2021年3月)、「コロナに感染する方がリスクが高い。我々はワクチンの有効性を強く確信している」と呼びかけ、火消しに努めている。アストラゼネカのワクチンは、日本でも5月以降の承認・接種が予定されている。
アストラゼネカ製ワクチンは世界の70カ国以上で認可され、これまで世界で1700万人以上に接種されている。このうち、深部静脈血栓や肺塞栓といった血栓の報告が37件あった。血栓症は、血管に血の塊ができて突然詰まる病気で、脳梗塞や心筋梗塞になるおそれがある。
専門家「1700万人のうち37件は頻度としては多くない」
これまでのところ、日本へのワクチン供給を合意しているのは、米ファイザーの1億4400万回分、米モデルナの5000万回分、英アストラゼネカの1億2000万回分だ。アストラゼネカについては、国内で原液の製造が進んでいる。同社日本法人の田中倫夫執行役員は「とくダネ!」の取材に対し、「現時点で報告のあった安全性情報を精査したなかでは、弊社のワクチンと血栓症の間には因果関係がないと判断している。今後もあがってくるデータを継続して精査していきたい」と話していた。
昭和大の二木芳人客員教授「1700万人の37件というのは頻度としては多くない。たまたま続いたということではないでしょうか」
デーブ・スペクター(テレビプロデューサー)「今、イギリスとEUは対立している。イギリスは自分たちが開発したこともあって『問題ない』という立場です。接種も進んでおり、自信をもっています」
古市憲寿(社会学者)「イギリスでは患者が激減していて、イギリス国民はワクチンの効果を実感していると思います。日本で承認されるまでまだ時間があるので、静観していればいいと思います」
司会の小倉智昭「国によって安全性の判断が分かれているようです」