米CDC(疾病対策センター)はワクチン接種終了後のガイドラインを発表し、「ワクチンを接種した人同士はマスク着用せず、距離も取らずに屋内で会うことができる」とした。
また、ワクチンを接種した人が未接種の人たちがいる家を訪問する場合でも、訪問先が1世帯でリスクが高い人がいない場合はマスクなしで会えるとしている。一方で、公共の場や未接種の複数家族とはマスク着用とソーシャルディスタンスを取り、大人数で集まることは避けるよう求めている。
米国立研究機関研究員の峰宗太郎医学博士によると、このガイドラインは、1つはワクチンの効果が証明されてきた科学根拠に基づいて、そしてもう1つは科学的根拠が明確ではなくても「おそらくここまでやっても大丈夫だろう」という線を探りながら作られているという。
「実際には、やってみなければ分からない。しかしここに踏み込んできたということは、ワクチンの普及によって社会を元に戻していこうというCDCの姿勢が見えてきます」と峰氏。
EUや米国では接種済みの人にプール開放などの動きも
ワクチン接種後の生活はどのようなものになるのか。スタジオでは打った人と打っていない人の見分け方や、未接種者に対しての差別の問題が上がった。
峰氏「確かに、打った打ってないで差別や過剰な区別が起きてしまう懸念はあります。しかしEUやアメリカではワクチンパスポートを導入し、接種済みの人から公共交通機関や公衆浴場、プールなどを開放していこうという動きがすでに出始めています。また中国はすでにワクチンパスポートの発行を始めています。世界はワクチン接種した人から経済を回していこうという方向に動いていて、ポジティブな意味でそういう分け方をしていこうということです」
司会の加藤浩次「我々ひとりひとりがそういった差別をなくしていくことが大事ですね」
さて、ワクチンで心配なことと言えば、アナフィラキシー(短時間で起きるアレルギー症状)の問題だ。日本では9日(2021年3月)までに1回目を摂取した約10万7000人のうち17人の症例が報告されており、田村厚労相は「アメリカでは100万人で5例、イギリスが100万人で10例と記憶している。日本は(アナフィラキシーの事例が)多いように見えます」と話したが...。
峰氏は「日本では特に基準なく、現場の医師などの判断でアナフィラキシーとして報告できるようになっている。今回の症例が欧米の基準で言うアナフィラキシーに当たっているかは、細かく検討しないと分からないんです。基準がしっかりそろってこそ比較ができるわけですから」と話している。