須賀廼家千之助(星田英利)と須賀廼家万太郎(板尾創路)の因縁は、二十年以上前にさかのぼる。
当時、須賀廼家兄弟一座で人気を二分する看板役者だった二人。二人は兄弟のように息もぴったりだった。
しかし、ある日、万太郎は千之助を追い出してしまう...。
万太郎「お前と芝居してても退屈や」
万太郎は千之助の芝居をひとりよがりだといって、他の劇団員たちがいる前で切り捨てた。
万太郎「憎まれてあたりまえや」
万太郎の話に怒りを感じた千代(杉咲花)は、なぜそんなことをしたのかと尋ねる。
万太郎「決まってるやろうが。おもろいからや。家庭劇はウチには絶対に勝てへん。理由は、千之助に聞け」
千代は千之助に万太郎一座に勝てない理由を尋ねる
その話を万太郎から直接聞いた千代は急いで戻り、千之助の下宿先に上がり込む。
千代「千之助さん、なんで万太郎一座に勝てへんのだすか?」
そう聞くと、千之助は大きな荷物をもっている。
千代「なんだす?その荷物。逃げ出しはりますのか?」
千之助「これが勝たれへん理由や。万太郎がいてたら、冷静ではおられへん。そんな自分では勝たれへん」
そうして千之助は去っていってしまう。(NHK総合あさ8時放送)