埼玉県は昨日8日、新たに変異ウイルスに20人が感染した、と発表した。このうち18人は「ブラジル型」の疑いがある。うち2人は重症。これで同県内の変異ウイルス感染確認は60人になった。そのほかの濃厚接触者100人は、全員陰性だとわかった。
ブラジルでは、12月中旬に、変異ウイルスが初めて確認された後、1月17日にワクチン接種が始まったにもかかわらず、感染者数が減らず、3月7日には新規の感染者が8万人を超えた。死者は1日で2000人近くに上っている。
ブラジルでは3日、新型コロナウイルスによる死者が1日では最も多い1910人を記録した。1日あたりの感染者も6万人から7万人が続き、過去最悪のレベルに近づいている。拡大の背景には、北部アマゾナス州マナウス由来の変異ウイルスの影響があると見られている。その感染力は、従来型の倍以上。
ブラジルでは若者大騒ぎで拡大? 日本の変異ウイルス感染者272人に
その拡大のきっかけと言われているのは、先月の若者の騒ぎだ。2月のリオのカーニバルは中止になったが、各地で若者が屋外で集まったりする騒ぎで警察が出動する事態が相次いだ。サンパウロ州では6日から2週間食料品店などを除く営業を禁止にした、リオデジャネイロ市でも外出規制が始まった。しかし、行動制限への抗議活動をする動きがあるなど、感染対策に足並みの乱れが。
米国でも、テキサス州知事が、感染状況が改善したとして、マスク着用の義務を10日から廃止すると発表。各地で混乱が拡大。バイデン大統領が、「マスクを外しても大丈夫と言うのは、ネアンデルタール人のような(浅はかな)考えだ」と非難した。
番組の調べでは、変異ウイルス感染は、全国で272人。埼玉県の60人をはじめ、兵庫県で37人、新潟県で31人、神奈川県15人、東京都14人など。二木芳人・昭和大客員教授は、「これは濃厚接触者を追って見つけた数で、これよりもかなり多くの数が市中に広がっている恐れが大きい」。増加のペースは、昨年12月に21人だったものが、今年1月で43人、2月には143人と急増。今月は昨日段階で65人となっている。ブラジル型の感染力は従来型の3倍との見方も。
小倉智昭キャスター「変異型も含めて、アジアの人はかかりにくいとの話も」
文・栄