親権争いハラハラ、恋の話ドキドキ、秀生の作文ホッコリ
「今回、凄い、上手いなぁと感動した点。寿一がさくらを担いで二階の部屋に行き、畳にそっと下ろした時、一瞬、カメラが座卓の下から眺める視点になり、二人の秘め事を覗いている気持ちにさせられた演出に感動した。広い屋敷に二人きり。二階の薄暗い部屋にさくらを担いでやってきた寿一。さくらの『寿一さん』は初々しくて可愛らしかった。『しっ』と黙らせる寿一。きゃー!愛を確かめ合うの?と思ったら、手袋をはめ出す寿一。何?何が始まるの?と混乱する私を痛快に裏切って泥棒退治とは!まずはさくらを安全な場所へ移動させた寿一は男の中の男!カッコいいですね。親権争いでハラハラ、恋の話でドキドキ、秀生の作文聞いてホッコリして、寿一の土下座に泣いて...。心地よい疲労感と共にジンワリ幸せな気持ちになりました」
親子のテーマが素晴らしく描かれているという声が多かった。
「親が師匠になる覚悟。親と同じ道を進みたいと子供が思ってくれた時、親はうれしいと思う。でも、複雑な気持ちもある。師匠がほめたり、師匠の子が何かに選ばれたりすれば、実力ではなくてコネだと言われて辛い思いをする。能の世界は尚更、人並み外れた努力と苦悩がある事を常に感じながら寿三郎は寿一を観ていた。寿一も、秀生君を通してその事に気付くのかな。本は古いのに箱の真ん中に入れてきれいに付箋をつけて、隠しては読んで寿一の元気な様子を陰ながらの応援をしていた寿三郎が、孫の秀生君のお稽古に拘っているのは、秀生君の指導を通して寿一の姿と重ね合わせている」
「能から逃げてプロレスに走っても、結局は逃げ切れなかったことを元奥さんに突きつけられ、辛さマックスながら、秀生は能、死体!と連呼するぐらい父親を丸ごと肯定して愛してくれている。秀生の学習面ではマイナスになる特性があればこそなんだろうな。秀生君、お父さん二人分の作文読みたくて大暴れ。今回はここで泣けた」
「お父さんはスーパーヒーロー。秀生の作文に、大泣きさせられた。プロレスが好き、能が好き、ではなくて、お父さんが好き。純真無垢な気持ちが、胸に沁み込んで、浄化されるようだった。おじいちゃんに笑顔で飛びつく秀生のいじらしさ、可愛さが、どんなに寿三郎を励まし、元気にしていることか。寿一は逃げている。元妻の言葉はホントだと思う。さくらの『好き』からも逃げたし、能とプロレス、どちらにも本気で向き合ってはいない。それでも父親が秀生を忘れてしまう前に、元妻に頭を下げに奔走する寿一は、大切なことは外さない。だから、誰からも好かれる。頼りにされる。誠実で、朴訥で、不器用なのに華があって、殺気も放つ。スカイツリーのような存在感。スーパーヒーロー。長瀬くんしかできない役だと思う」