私は、今、通称「iU」――「iU情報経営イノベーション専門職大学」の客員教授をしています。昨年4月に開校した大学ですが、新型コロナウイルスによる影響でオンラインと対面で授業を行っています。先日、私は対面授業を行うため、スカイツリーのそばにある校舎に行って来ました。
私の講義のテーマは「テレビ論」です。
講義の内容を全部説明できませんが、「テレビが生き残るには」ということが大きなテーマになっています。
テレビメディアとインターネットの広告費は逆転したが共存は可能
2019年に、総広告費で初めて、インターネットが2兆1048億円で、テレビメディアの1兆8612億円を上回りました。しかも、テレビは対前年97.3%なのに対してインターネットは119.7%でした。
テレビとインターネットとの関係を論ずるのに、いろいろな考え方があるでしょうが、私は「テレビとインターネットは共存すべきだ」と思っています。テレビにはやはり制作能力がありますし、報道の検証能力もあります。一方、インターネットには、若い人たちがSNSの主役になって、どんどん情報が伝わっていく力があります。お互いが、差別化された中で、バッティングしない形で良さを出し合えば、十分共存できます。それに、既にやっている局もありますが、お互いが交流していくことも可能です。
「テレビが生き残る」ために、一番大事なことは「他人がやらないことをやる」ということです。
「i大学」の講義の最後も、この言葉で締め括りました。後ほど届いた私の講義の感想をまとめたものに、「他人のやらないことをやる」という言葉が印象に残るというのがあって、嬉しかったです。