コロナ禍で生理用品買うのに苦労する学生が約20%、新たな「貧困問題」 トイレットペーパーや布で代用も

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   3月4日(2021年)、コロナ禍で経済的に困窮する学生が増える中、生理に関する啓発活動をしている若者のグループが、高校生以上の学生671人に対して行った「生理の貧困」調査が国会でも取り上げられ、注目されている。「経済的な理由で生理用品を買うのに苦労したことは?」という質問に「ない」と答えたのが77.5%、「ある」と回答したのが20.1%だった。

   国会で取り上げたのは、公明党の佐々木さやか議員で、「実態を把握し学校で無償配布など必要な対策を検討していただきたい」と訴えると、丸川珠代女性活躍担当相は「今後なにができるか検討する」と答えた。

   この調査を実施した「♯みんなの生理」共同代表の谷口歩美さんは「生理の貧困とは経済的な要因で生理用品にアクセスできない状況。日本では調査されていなかったので、オンラインで実施したら、予想以上の結果だった」と驚いたという。

   実はこの「生理の貧困」問題は世界的な社会問題となっており、今回の調査で約20%がほかの支出を削って生理用品を買っており、6%が「買えなかった」と答えている。また、26%の学生が代用品を使ったことがあり、37%が交換頻度を遅くするなどした経験があったこともわかった。

   谷口さんは「たとえば、生理用品の代わりにトイレットペーパーで代用するという声が散見できた」と話す。街には「トイレットペーパーを使ったこともある。SNSで布を使っている人の話を知り、ハンカチで試したことがある」「毎月2000~3000円は大きい。正直しんどい」という女性もいた。生理用品以外にも痛み止め薬の経済的負担も大きいという。ほかには「さけては通れないことなので、国が支援してくれたらとも考える」という女性もいた。

海外では支援の動きも

   海外ではどのような対策が進められているのか。スコットランドのスタージョン首相はSNSで去年11月に、「必要とする全ての人に無料で生理用品を提供する世界で最初の国になる」と発言した。スコットランドではすでに2018年から、学校で生理用品の無料配布を開始していたが、今年1月からはすべての人を対象にした法律が施行されている。また、英国では今年1月から生理用品にかかる付加価値税がゼロになっているほか、フランスやニュージーランド、韓国などでも学校での無料提供の動きがあるという。

   エッセイストの犬山紙子は「大きな問題だと感じる。経済的理由で取り替えないのは不衛生で、健康問題に直結する。貧困問題として考えてほしい」とコメント。

   ラグビー元日本代表の大畑大介は「無料配布するスコットランドは女性首相だったことの大きいのではないか、貧困への声が届くことが大事」と話す。

   ハリセンボンの近藤春菜は「毎月1回、何年も必要なことが貧困で十分にできないというのは困る。相談できる人がいないというのも大きな問題」と指摘。

   菊地幸夫弁護士は「日本の貧困率は高くなっている。食事も含め支援していくため、全般的な援助を考えていく必要がある」と述べた。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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