菅義偉首相の長男らによる接待問題で減給処分を受けた総務省の谷脇康彦総務審議官が、新たにNTTの社長らと会食があったことを認め、3月4日(2021年)の国会で謝罪した。谷脇総務審議官、巻口英司国際戦略局長、辞職した山田真貴子内閣広報官が、利害関係者であるNTTグループの幹部から高額接待を受けていたと報じた「週刊文春」(3月11日号)の記事を認めたことになる。
国会で谷脇審議官は、提示された金額を負担したので、国家公務員倫理法に抵触していないという認識だったと答弁。東北新社との高額会食の後に「立食や勉強会で懇談することはあった」と答弁したが、NTTと3回会食した事実については答弁していなかった。
虚偽答弁が問題になるか
経産省元官僚の岸博幸氏によると、「谷脇審議官は菅政権の目玉政策"携帯料金値下げ"の中心人物。事務方トップで菅首相の右腕だった」として、「接待を受けていた場合、虚偽答弁が問題視される。東北新社の接待問題で総務省幹部が辞任、同様の処分になるのではないか」と話した。野党は今後、菅首相の長男やNTT社長の国会招致を求める方針だ。
また、なぜこのように立て続けに接待疑惑が浮上するかについて、岸氏は「国家公務員倫理法成立以前には、当たり前のように接待があった。私も週の半分くらいは料亭にいた。今も水面下では行われている現実があるのではないか」と話した。
菊地幸夫弁護士は「そもそも利害関係者と夜の席で一緒になることを回避すべき。昼間にオフィスで話し合えばいい」と指摘。
エッセイストの犬山紙子は「総務省内で調査をしているというが、第3者機関にさせなくていいのかという疑問が出てくる」とコメント。
元ラグビー日本代表の大畑大介は「ダメとわかっていることをするのは、見返りがあるか、常態化しているかだ。真面目に働いている職員の損にならないように、厳罰化するしかない」と話した。
キャスターの加藤浩次は「一緒に仕事をしていれば話すこともあり、仲良くなることもある。しかし、仲良くなったのなら、それこそ割り勘にすべきだった」と話した。