後手後手の批判恐れ、「緊急事態宣言の2週間程度の延長」言い出した菅首相 陰に小池都知事の動向

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   3月3日(2021年)午後6時半ごろ、菅義偉首相が突然のぶら下がり会見で「国民の皆さんの命と暮らしを守るために2週間程度の緊急事態宣言の延長が必要ではないか」と自らの思いを述べた。政権幹部が「宣言を延長すれば飲食業界が総崩れになる」として延長を回避したがっていたにもかかわらずの表明だった。

   いったいなぜ菅首相は突然、このような発言をしたのか。日本テレビの山崎大輔官邸キャップは「小池百合子東京都知事の動きが菅首相に影響を与えたのではないか」と読む。

   実際に緊急事態宣言が延長されるか否かが決まるのは、1都3県の各知事や専門家の意見を聞いた後になる見込みだが、菅首相はなぜこの段階で発表したのか。実はこの会見の約1時間前に1都3県の知事が協議し、緊急事態宣言を2週間延長するように求める方針が固まっていた。官邸キャップは「複数の政府与党関係者によると、菅首相は小池知事よりも先に延長を表明する狙いがあった。これまで対応が後手後手と批判されていたことが背景にある」と言う。

   菅首相の表明を受けて、小池知事は「延長という考え方は基本的に都の考え方のものと一致する。きわめて重要な期間になる」と述べている。千葉県の森田健作知事は「総理が『俺が判断する』と言うんだから委ねたいと思う」、埼玉県の大野元裕知事は「リバウンドがあると医療体制の体力が奪われる。政府の判断は埼玉県から見た場合は適切」と話した。

神奈川県の黒岩祐治知事はいったん解除論だった

   しかし、神奈川県の黒岩祐治知事は「1都3県の中でも神奈川県は病床ひっ迫度以外は全て"ステージ2"。いい成績を収めているが、1都3県胸痛で臨むので、神奈川も緊急事態宣言延長ということになりそうだ」とちょっと違うニュアンスの説明をした。政府分科会メンバーの小林慶一郎氏は「このまま延長しても感染者が減らない可能性もあるので、何らかの措置を強めることをしないと感染者が減らないんじゃないか」と懸念を示した。

   リモートで生出演した黒岩知事は「県民の努力でここまで抑えることができているが、1都3県一体なので、こういう形になった。申し訳ない気持ちだ。いったん緊急事態宣言を解除して、感染の具合を見ながら感染防止措置をとるかたちもあるのではと考えていた。というのは宣言を延長して感染者数が減らなかったら、対策カードがなくなってしまう。いったん解除という道もあったのではないかという考えも菅首相には伝えた。あとは総理が自分で決めることになる」と説明し、徹底したマスク会食の実施を訴えた。

   日本感染症学会の水野泰孝医師は、「家庭内感染が多いが、根源は会食機会やマスク無しの会話。これを抑えることが大事なので、飲食の場で従業員が一声かけることが普通にできるようになればいい」と話した。

   タレントのモーリー・ロバートソンは「何らかの介入が必要になってくる。店員を研修して、怒られない注意の仕方を教えるなどして、個々の行動を多少制限するのも良いという雰囲気作りがほしい」とコメント。

   水野医師が「一番懸念しなければならないのは変異株です。感染しやすいとされるが、対策すれば食い止められる。細かく具体的な政策を打ち出し、第4波を防がなくてはならない」と話すと、キャスターの加藤浩次は「漫然と今までどおりの感染対策をしているだけでは、感染者数は減らない」と訴えた。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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