菅義偉首相がきのう3日(2021年3月)夕、首都圏の緊急事態宣言延長を突然表明した。これまで「知事の意向を聞いて」「専門家の判断を尊重し」が口癖だった菅首相が、急きょリーダーシップを発揮した形。今年1月(2021年)に首都圏に対する緊急事態宣言を発令した際、小池百合子・東京都知事率いる"知事団"に「押し切られた」と批判されたことがよほどこたえていたのだろうか。きょう4日の「とくダネ!」が番組冒頭でこの話題を特集した。
菅首相はきのう3日午後6時半、記者団のぶら下がり取材に応じ、「知事のみなさんの意見はこれから伺ったうえで」と自分の判断が先だったことを強調した。「知事から要請がないのになぜ?」「なぜ2週間なのか」と質問が相次いだが、「私が2週間程度が必要なんじゃないかなという思いでありましたので」「それぞれの知事とも電話で状況はうかがっている」と説明は曖昧だった。
1都3県知事には解除の意見もあった
きょう4日の番組に生出演した神奈川県の黒岩祐治知事は「我々が意見をまとめて総理に持っていって決まるのだと思っていたら、総理が決めるとおっしゃっていた。そういうことなんだなと受け止めました」と話した。それまでの1都3県の知事の話し合いでは「延長ありき」ではなく、いったん宣言を解除して、感染が広がってきたらまん延防止等重点措置で対応するといった策もあるのではないかという意見が出ていたという。
司会の小倉智昭「(首相と知事の)どっちが先に言ったかなんて問題じゃないと思いますけどね」
古市憲寿(社会学者)「宣言するかしないかが、数字じゃなくて雰囲気だけで決まっているようで気味の悪さを感じます」
三浦瑠麗(国際政治学者)「みんなやれることはやっています。2週間延長して状況がましになりましたと言えるかというと、言えないでしょうね。政治的にも得策ではありません」
確かに、2週間後に感染者数など数字が悪かった場合に、延長を先に表明した菅首相は批判の矢面に立たされる。きのう3日夜の小池知事の反応が「基本的に都の考え方と一致するもの。これからも国と連携しながら進めていきたい」といつもよりおとなし目だったのは、そのせいか。