小芝風花(23)主演の、ずっと引きこもりだった「物の気持ちがわかる」少女モコミが自立していく姿を描くドラマ「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」(テレビ朝日系)がいよいよ佳境に入ってきた。恋が芽生えると同時に、新しい仕事も順調にこなす一方、家族が抱える問題も浮上してきた。
2月27日(2021年)放送の第6話では、家族の中で一番の「いい人」で、モコミの理解者だと思われていた兄の俊祐(工藤阿須加)の「暗黒面」が表れてきた。自分を抑えるあまり、SNSの裏アカに周りの人の罵詈雑言を書き込んでいた。ネット上では「ホッコリする」という声とともに「お兄ちゃんの遅れて出てきた反抗期」「目が離せなくなった」という称賛の声があふれている。
SNSの裏アカで毒づく工藤阿須加の気持ちよくわかる
モコミ(小芝風花)はイヤホンを拾ったことで言葉を交わすようになった青年(加藤清史郎)と再会。公園で花たちと"会話"していたと告げても、当たり前のことのように話を続ける彼に、モコミの心は安らぐ。青年が愛用する自転車に名前を付けていると知り、モコミも自分の大切な存在にトミー(ヘビのぬいぐるみ)と名付けていると打ち明ける。ミーに会わせてほしいと言われ、モコミはうれしさのあまり、仕事中もニヤけてしまう。
職場でもうれしい出来事が起こる。花屋のリニューアル案を涼音(水沢エレナ)が提案。彼女もモコミが花の気持ちがわかることに理解を示し、店内のインテリアや仕入れる花を任せてみれば、と言ってきた。モコミの兄で店長の俊祐(工藤阿須加)はこの話を受け入れるが...。
一方、モコミの家では父の伸寛(田辺誠一)と母の千華子(富田靖子)のケンカが続いていた。意固地になった千華子が家事を一切放棄。団らんで花屋のリニューアルのことが話題となり、伸寛や祖父の観(橋爪功)はモコミを応援。しかし、千華子は素直に祝福できず、自分の愚痴を言い出す。表向きは両親や妹に心を配る俊祐だが、心の中には怒りが渦巻いていた。俊祐はSNSの裏アカにネガティブな思いを書き込むことで、自分を抑えていた...という展開だった。
ネット上ではこんな共感の声が起こっている。まず、お母さんに同情の声が多かった。
「お母さん。確かに支配的でやりすぎのところがある。モコミが初めてのお花を褒められたのに勘違いしちゃだめよ、っていうのはひどいし、毒親と言われても仕方ない。でも子育て中の私はこのお母さんの気持ち、わかるよ。小さいときに周りと違う言動をして疎まれる娘を守ろうとして、やりすぎてしまったのだと思う。子育てって本当に難しい。でも、お母さんの凄いところは自分の非を認めて娘に謝れる素直な心。モコミに謝るシーンで思わず泣いてしまった」
富田靖子は『35歳の少女』の鈴木保奈美と同じだ
「確かに、富田靖子さん演じる母親は毒親認定されるような言動がたくさんありますが、多感な年頃に、父親が自分と年齢の近い教え子と不倫していたことが発覚し、世間で噂されたり、批判されたり、修羅場に巻き込まれ、壊れた家庭、 ボロボロになった母親を見たりしていたら...と想像すると、モコミちゃんと同じくらいの歳だった頃にどれだけ傷ついただろう...と同情してしまう。その頃の回想シーンでもあれば、 視聴者も、母親やおじいちゃんに対してまた少し印象が変わるかも知れない」
「富田靖子さんは、『35歳の少女』の時の鈴木保奈美さんと同じような役柄で笑った。子育てってむつかしいよね、一生懸命やっても感謝されるどころか毒親呼ばわり。同じ親としては同情します。こども店長の加藤清史郎君も、もしかして物の気持ちが分かるとか?」
「ハイ、パンジー。良かったです。お母さん、あっという間に和解、さすが母(笑)。モコミが働いている姿がきっと嬉しかったんでしょう。モコミも優しい、すぐ母を受け入れて。仕事も順調、モコミの世界感を引き出すフラワーアート。ひとまず良かった、良かった。あとは、祖父と母や父母、兄と問題山積み(笑)」
偉そうなことをいうお爺ちゃんに対する反感が多かった。
「子育てなんて成功か失敗かなんて分かるわけないし。みんな必死だよ。急にボッと出てきた大嫌いな父親がいいことを言うのだが、どの口が言っているんだ!今までの苦労を何も知らないくせに。お兄ちゃんはブラックな一面がバレてきたことが心配。妹が親の手を煩わせている一方で、自分はしっかりしなきゃいけないと頑張ってきたんだろうな。ベタだけど、みんなのウミが出て幸せ家族になってほしい」
「すべての元凶のおじいちゃんが偉そうなのが非常に嫌です」
モコミが自立し始めたので心のバランスを崩したお兄ちゃん
「暗黒面」をさらけだしたお兄ちゃんの今後を心配する声が多かった。
「お兄ちゃん車の中でのノリノリに爆笑しました」
「お兄ちゃんはつらいよ。家でも外でも優等生でニコニコしていなきゃいけなくて、そりゃーつらいさ...お兄ちゃん。すごくよくわかる。毒を吐きたくても吐ける場所がないし、イライラするし。誰でも表とは違う顔があって当たり前。問題は優等生が急に不良化すると周りが受け入れてくれないこと。別に今に始まったことではないのにね。どんな家族でもそれぞれいろいろあると、再確認できるドラマです。来週のお兄ちゃんの爆発が楽しみ」
「母親が、自分が教師になれなかった事を、お父さんのせいにして何十年も恨んでいる。そりゃお兄ちゃんも歪んで当然。長男だからしっかりしなくちゃ、って思いでSNS にはけ口を求める。不安定なモコミを世話する事でバランスを取っていたが、モコミが自立し始めたのでバランスが取れなくなってきた。うっぷんをぶちまけて、本音で語れる家族になってほしいです」
モコミはなぜ「人間」の気持ちがわからない?
モコミの「モノの気持ちがわかる」ことについて、取るに足らないことではいう見方が多かった。
「モコミってモノの気持ちはわかるのに、お兄さんの気持ちがわからないの ですね。そっちのほうが簡単だと思うけど」
「モコミのように『花と話できる』って、その言葉自体がドラマ内であたかも超人的な扱われ方しているが、『大体そんな気がする』程度に人間の五感で察知することってあると思う。別に変なことじゃないよ。同僚の台詞、『えっ!モコミちゃん、花と話せるの?』って大の大人が言うか。『うん、私花と話せる』とまではいかなくても 『何となくこの方がいい気がするんだよね』と、分かる人はそんな感じで言うでしょ」
「お兄ちゃんの彼女が、モコミが花と話せるかどうかはどうでもいいと言いました。加藤清史郎君も、そうなんだとスルーしました。多分私もその話を聞いたら『へぇ、そうなんだ』で終わりそうで、これをモコミと言う人物像の真ん中にはおかないでしょう。たまに思い出して『そういえばモコミちゃんは物の気持ちがわかるのよね?いいなぁ』程度だろうと思いました。お母さんが本当の意味で気がついてよかった。おじいちゃんのフォローは、娘と孫への愛を感じました。 お兄ちゃんが何をきっかけに変われるのか来週が楽しみです」(テレビウォッチ編集部)