政府分科会の尾身茂会長は先週26日(2021年2月)、「ほぼ間違いなく変異株が(既存のウイルスに)置き換わって増えていく」と発言していたが、この懸念を裏付けるようなデータを神戸市が発表した。新規に陽性になった人の半数以上が変異株に感染しているというものだ。
神戸市の独自検査によると、1月1日~28日では変異ウイルスの疑いがある患者は0%だったのに、1月29日~2月4日には4.6%、2月5日~11日には10.5%、2月12日~18日には15.2%と徐々にその割合が上昇。2月19日以降では、およそ50%にまで達する見込みだというのだ。
検査を行った神戸市環境保健研究所の飯島義雄所長は「ここまでドラスティック(劇的)に増えてくるとは思ってなかった。転換期といいますか。ここで(変異ウイルスを)封じ込められれば広がらずに済むが...。見ている限り感染力は強い」と話す。また、神戸市の変異ウイルス感染者のほとんどは感染経路が不明で、市中感染と見られるという。
専門医「基本的な対策は同じ。施設や学校に持ち込まない努力を」
神戸市の新規感染者数は全体では減っているのに、なぜ変異ウイルスの割合は増えているのか。順天堂大学大学院の堀賢教授は「緊急事態宣言の発令によって総数は減っているが、水面下で変異株が増えている現状がある。ある日を境に急上昇していくのが特徴ですから、第3波の時の感染拡大よりももっとすごいペースで第4波が来る可能性がある」と指摘する。
堀教授は、今後人出が増えると第4波が来ることを懸念。オリンピックの前に第4波が来る恐れもあるという。
では、変異ウイルスに対してどう備えるべきなのか。日本感染症学会指導医の水野泰孝医師は「基本的な対策はこれまでやってきた対策と同じです。ただ、注意しないといけないのは、広がりやすい環境の中にこういったウイルスがポンッと入ってくると一気に広がるということ。3密と呼ばれる場所、あるいは高齢者施設や学校にウイルスを持ち込まない努力を個人個人がする必要があるということです」と話す。
司会の加藤浩次「やっぱり、一人ひとりがちゃんとした理解をすることが大事ですね。『変異ウイルス50%なんてヤバイ!』という感覚じゃなくて、『やることは変わらないんだ』とか。そういうことを積み重ねるのが大事です」