高校が生徒に求める「地毛証明」はブラック校則ではないのかと、東京都議会でも取り上げられた。先月(2021年2月)、池川友一都議が「生まれつき髪の色が明るかったり、くせ毛であるなどの場合に提出させる地毛証明書を、都立117高校のうち79校、実に4割以上が強要している」として、改善を求めた。
「グッとラック!」の取材に、池川議員は「肌の色を登録してくださいという証明だったら、絶対に認められないじゃないですか。髪の色ならいいのかという、まさに人権侵害です」と説明する。
実際の「地毛証明書」はどんなものなのか。「以下の者は、頭髪が××××ですが、これまで一度も染色脱色などしたことがない地毛であることを証明します」とあって、生徒は氏名・生徒番号を書き、保護者の署名・捺印も求めている。なかには、医師の署名まで要求する学校もあった。
教室ではもっと細かいマニュアルがあって、若林有子キャスターによると「ヘアドライヤーやヘアアイロンによる変色も対象。幼少時の写真の添付を求められたり、カラースケールで基準を超えていたら、地毛でも黒染めするように言われます」
都教委「先生が間違って指導しないように」って意味不明?
なぜ地毛証明は必要なのか。東京都教育委員会の担当者は「生まれつき髪が明るかったり、ウェーブがかかっているときに、先生が間違って指導しないようにするのが目的です」と、生徒のためというのだが、およそ説得力はない。
高校生たちは当然、「おかしいよ」と声を上げているが、怒るより、学校の頓珍漢ぶりに呆れている。「家に電話がかかってきて、黒髪に染めたことはあります。別に茶色く染めていないのに、何のために染めなくちゃいけないのかな」「髪が長かった時に、傷んで茶色かったら、『茶色じゃない?』と言われたことがある」「『黒や暗い色にできますか』って言われたけど、したくなかったら、家に電話かけてくるんですよ。親が地毛ですと言ってくれた」
キャスターの立川志らく「地毛なんですというなら、信じてあげるのが教育でしょ。ウソついていたなら、そのとき叱ればいい。なんでも証明、証明というのは、生徒と先生の人間関係がものすごく薄くなっているんですね」
髙橋知典(弁護士)「根源的なこととして、なんで髪の色を統一しなければいけないのかということがありますよね。地毛証明も頭髪指導も今の時代に会いませんよ」
大人たちは好きな色に染めて楽しんでいるのに、なぜ高校生はいけないの?という問題だ。高校生も18歳から選挙権があるのだから、「茶髪OK」を公約にする候補者に投票するという手もあるぞ。それにしても、都立高校はかつては自由な校風が魅力だったのになあ。