緊急事態宣言はきょう1日(2021年3月)に6府県で先行解除されるが、政府分科会の尾身茂会長はこのことについて「もろ手を挙げて無条件で賛成ということではなかった」としている。中でも、最も大きな懸念となっているのが新型コロナウイルスの変異株だ。
「(今後)ほぼ間違いなく変異株がだんだんと既存の株と置き換わって増えていく。これは『増える可能性がある』というのではなく、もうそのプロセスに入っている。しかも感染力が強いことが指摘されている。よっぽど注意しないと感染拡大ということになる。これは絶対に避けなければならない」と尾身会長は言う。
国内で確認された変異ウイルスの感染者数はこれまで207人。日ごとの数を見てみると、2月に入ってからは感染者数が全体的に増えていることがわかる。最近では海外に滞在歴のない人の感染も目立っていて、すでに市中感染が広がっていると見られる。
専門医「宣言解除で人の流れが活発化するともっと増える」
日本感染症学会専門医の佐藤昭裕医師は「海外から来る人に空港検疫を行っているが、そこで陰性でもその後発症してうつしてしまうケースもある。緊急事態宣言の解除によって人の流れが活発化するので、もっと増えることは考えられる」と指摘する。
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「変異株に対して今までの検査体制はどうだったのか、見直しが必要です。モグラたたきのようで際限がない感じはしますが、専門家の人に効果的な体制を示してもらいたい」
司会の加藤浩次「緊急事態宣言の解除は、関東に関しては3月7日でいいのかという議論になってきています」
杉山愛(元プロテニスプレーヤー)「感染者数がこのところまたちょっと増えているのが気になるところです。変異株で感染力が強まっているのではないかという懸念もあります。解除されるとしても、私たち個人もソーシャルディスタンスを保つなど今まで注意してきたことは続けないといけないですね」
加藤「我々も『解除と言っても段階的なんだ』と思っておかないといけません。『みんなとご飯食べにいける』ってことではない。まだまだ努力が必要です」