みずほ銀行で28日(2021年2月)午前から、ATMの半数以上に相当する約3000台が相次いで停止するという大規模トラブルが発生。当時ATMを利用していた人たちのキャッシュカードや通帳が機械に飲み込まれたまま戻ってこない状態になった。
東京・新橋駅前のATMコーナーでは午後1時40分ごろ、利用客の男性が「1時間ちょっとくらい前にお金を引き出そうとしたら、そのまま閉まってしまい、(カードが)吸い込まれました」と途方にくれていた。やっとつながった付属の電話で対応を求めるも、カードを取り出してもらうことはできなかったと言う。男性はカードをATMの中に残して帰っていった。
また、SNSには「出金途中に止まったので、その場を離れたとたんにカードと現金がさらされる可能性もあり、約6時間身動きができず...」という投稿もあった。この投稿者は午前11時にトラブルが発生してからトイレにも行けないままATMの前に立ち続け、帰宅したのは午後6時だったそうだ。
銀行の対応に問題あり。専門家「ATMの作動を止めるのが遅かった」
みずほ銀行はこの日の午後、ホームページに「ATMの不具合が発生」とアナウンス。夕方には「ATMにキャッシュカード・通帳が取り込まれた場合は後日弊行からご連絡、ご返却します」と通知した。午後9時にホームページを更新し、原因について「定期預金取引のデータ移行作業にて障害が発生したものと判明」と説明している。
対応は適切だったのか。ITジャーナリストの三上洋さんは「(データ移行作業中の)トラブルが発生してからATMの作動を止めるまでが遅かった。そのためカードなどがATMから取り出せなくなるトラブルが相次いだのではないか」と話している。
同行は2002年4月のスタート初日と2011年3月、大規模なシステム障害を起こし、金融庁から行政処分を受けた過去がある。
橋本五郎(読売新聞特別編集委員)「システム障害の元を正せば人間の問題ではないかと思う。これまで何回もトラブルを起こしてきた中で、備えや体制作りはできていたのか。そこが甘いのではないかと思います」
司会の加藤浩次「その場にいる人への対応はやって欲しかったですよね」