「本当のことは総理に言えない」
致命傷といえば、菅首相が政権維持の最後の頼みとしているコロナワクチン接種スケジュールが、大きく遅れることが確実になってきた。
それは先週のポストが報じたように、ワクチンを確保できないからである。菅は「予定通りにやる」と息巻いているが、河野太郎担当相も、当初の予定通りには進んでいないことを認めた。
文春は、内閣官房のコロナ対策推進室の吉田学室長も周囲に、「ワクチンのスケジュールは現実的には難しい。(中略)そんなことは最初から分かっていた。けれど、ネガティブなことは総理には言えないんだ。本当のことを言えばクビになる」と嘆いているという。
そうした事実を覆い隠すために姑息なことをやっているというのだ。
2月17日午前9時から東京都目黒区の国立病院機構東京医療センターで、国内第1例目になる接種の様子を報道陣に公開した。
接種された人間が報道陣に、「一番痛くない。コロナ対策のために率先して受ける必要があると思いました」と笑顔で語った。だがこの御仁、このセンターの新木一弘院長で厚労省の元医系技官だというのだ。"やらせ"だったのである。
このままいくと、高齢者に接種が始まるのは6月ぐらいにずれ込むのではないか。そうなれば日本人全員が受けられるのは年内いっぱいかかる。どう考えても東京五輪など開けるわけはない。菅首相はその事実を早く公表すべきだ。