昭和4年2月。鶴亀家庭劇では次の公演に向けて稽古が始まっていた。
天海一平(成田凌)と千代(杉咲花)は、前座で二人芝居を演じることになった。台本は新作の「若旦那のハイキング」。商売敵の親同士のせいで結婚を反対された恋人たちの物語で、岡安のひとり娘・岡田みつえ(東野絢香)と岡安の商売敵、福富のひとり息子・富川福助(井上拓哉)の結婚を参考に、一平が書き上げたものだった。
恋に落ちた若旦那が、恋人の気持ちを確かめるために心中しようと持ちかけ、毒入りと偽って酒を飲ませるという筋書きだった。
客は退屈そうだったが、千代は迫真の演技で引きつける
千代「好きな人のためなら、死んでもいいという気持ちはわからへん。せやけど、弟のヨシヲのためなら死ねる。そんな気持ちで演じてみるわ」
千代は、一平にそう話した。そして舞台初日。千代と一平の芝居が始まるが、客は退屈そうにあくびをしている。どうしようかと焦る一平だったが、千代は迫真の演技で観客を引きつける。
千代「生まれ変わったら、今度こそ一緒になりましょうな」
千代が演じるお嬢さんが、そう言って毒入りの酒を飲もうとしたその瞬間、一平が突然、千代の手を掴んでキスをする! 千代は呆然となって...。(NHK総合あさ8時放送)