女性蔑視発言で辞任に追い込まれた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の後任人事をめぐり、橋本聖子五輪相が急浮上だ。きのう17日(2021年2月)深夜になって、「要請を受け入れる形で調整している」と報じられた。
橋本氏はきのう17日の朝には「大臣職をしっかり全うしたい」と話していた。ところが、午後になって「候補者検討委員会が橋本氏を公認候補として一本化した」と一斉に報じられ、いわば外堀を埋められた形となっていた。
橋本氏が新会長になった場合、心配されるのが森喜朗会長の"影"。橋本氏が五輪相として初入閣した際、2人はお互いを「私にとって、政界に導いていただいた父。お父さんという感じでご指導いただいている」(橋本氏)、「私の死んだ息子と同い年でもある。私にとっても娘みたいなもの」(森氏)と話すなど、いわば"親子同然の仲"なのだ。
神輿に誰が乗ってくれるか
スポーツジャーナリストの二宮清純氏は「父なき後は娘が継ぐという図式。ただ、森さんがいなくなった後、今は武藤(敏郎・組織事務総長)さんが仕切っているので、要は神輿に誰が乗ってくれるかということです」と解説する。
司会の小倉智昭「森さんがオリンピックのために尽力してきたことは誰もが認めること。その森さんのバックアップがあることは、オリンピックにとってはプラスだと思いますけどね」
尾木直樹(教育評論家)「父と娘と言われるほど森さんとの関係がいいが故に、それが災いになったときが心配です」
三浦瑠麗(国際政治学者)「オリンピックの開催が確定していないうえに予算の問題などもあり、ちょっと損な役回りでもありますね」
橋本氏をめぐっては、スケート連盟会長だった2014年、ソチ冬季五輪の選手村で開かれた打ち上げパーティでフィギュアスケートの髙橋大輔選手にキスを迫る写真が報道された。最近、この"ハラスメント"が再び蒸し返されており、二宮氏は「森さんの差別発言の時のように、外国から厳しい意見が出て、スポンサーが揺さぶられ、IOCが『不適切』と言い出すと大変なことになる。そのへんの対策をしておかないと」と念押ししていた。