兵庫県庁で、「うっかりミス」で損害を与えた職員に対して300万円を弁償させたことに対して、その処分が妥当だったのかの議論が起きている。2月8日に兵庫県の井戸敏三知事は会見して「1か月間も水漏れを防げなかった。県民の皆さんにお詫びしたい」と陳謝した。
職員によるうっかりミスが起きたのは一昨年(2019年)。水道局員から「料金がものすごいことになっている」と指摘され判明したのは、県庁内で1か月間にわたり水漏れが発生しており、水道代約600万円が無駄になっていたことだ。貯水槽の清掃業者が排水して清掃した後、県職員の50代男性が開いたままの排水弁を自分で締めると言って業者を返した後、うっかり排水弁を閉め忘れてしまったために起きた。1か月間の水漏れは9000トン。水道代にして約600万円分の無駄遣いとなってしまった。職員は懲戒処分になり、半額に当たる300万円を自費で弁償したという。
半額弁償の参考になったのは6年前に東京の都立高校で起きた事例だった。学校のプールの排水弁を閉め忘れて水道料金116万円の損害が出た際に、教職員7人で半額の58万円を弁償していたのだ。
兵庫県民は「300万円は大きい。使い込みなどの不正ではないのだから、せいぜい60万円くらいでいいと思う」「ミスなんだから、トップが謝罪して『税金を使います』でいい。だから職員の弁償は0円でいい」と、うっかりミスの職員に同情する意見が多い。
スタジオからは同情の声
キャスターの加藤浩次は「難しい問題」と言うが、菊地幸夫弁護士の見解はどうか?
菊地弁護士は「一人で300万円は重すぎる。都立高校の事例でも一人当たりにすれば10万円以下です」と判断。
経営コンサルタントの坂口孝則は「私は100万円くらいが妥当だと思う。業者にも上司にも責任はあるので、3分の1でいいと思う」とコメント。
タレントのモーリー・ロバートソンは「水漏れを検出する装置などの安全弁が組み込まれていなかった。組織にも責任はあると考えます。一個人に300万円というのはいかにも重い」と話した。
ハリセンボンの近藤春菜は「自分だったら責任を感じて払うと思うが、金額が多すぎる。組織的には責任を負うのは一人ではないのでは?」と指摘した。