映画「花束みたいな恋をして」通称・はな恋が、「鬼滅の刃」を抑えて、国内映画ランキングで2週連続1位のヒット中だという。学生時代に出会い、一緒に暮らし始め、社会人になってからはすれ違いという5年間のラブストーリーを、有村架純と菅田将暉の主演で描いている。とくに事件や感動的なエピソードがあるわけでもなく、2人のごくありふれた日常を描いているだけなのだが、「泣けた」「感動した」「うれしかった」と評判なのである。
若林有子キャスター「ふだんは10代、20代の女性が好む恋愛映画ですが、40代から50代の男女にも刺さりまくっているのです。私も、(映画の)最初からずっとキュンキュンでした」
「あるある恋愛」で「聖地巡礼がしやすい」
なにがウケているのか。一つ目が「あるある恋愛」だということ。50代の女性は「自分たちのそのころのことを投影してるんじゃないかなという気がしました。主人にもまた見に行こうと誘ってます」と話す。10代の女性は「恋愛って、好きなだけじゃだめなんだなって気づかされました」という。それぞれが自分に重ねて見ているのだ。
キュンキュンのポイントの2つめは、「聖地巡礼がしやすい」である。二人が出会うのは京王線「明大前駅」、パンをかじりながら歩く多摩川サイクリングロード、調布パルコブックセンターで本を買い、初詣の帰りに道生神社で捨て猫を拾い、初めてのキスは御塔坂橋交差点といった具合だ。調布市もロケ地マップを無料で配布している。
御塔坂橋交差点にいた76歳の男性は、ほとんどの聖地巡りを終えたと笑う。「チャラチャラした内容なのかなと思っていたんですが、大人の現実を帯びたいい映画でした。私も50年前に同棲時代がありました」
キャスターの国山ハセン「一般の人のインスタグラムの投稿を元にした脚本なので、リアリティーがあります」
コメンテーターの井上裕介(NON STYLE)が、ドはまりシーンとして「キス中は替わらない信号」「狭いお風呂」「ベッドで漫画」などとやたらに熱く語ったが、最後に「次にこういう宣伝のときは......」とポロリとしゃべってしまった。どういうことかと調べてみると、「グッとラック!」のTBSは製作委員会のメイン企業だった。語るに落ちるとは、このこと。