東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視問題は、辞任を求めない組織委員会そのものの差別体質が背景にありそうだ。オリンピック3大会に出場した陸上選手・為永大さんは、「沈黙は(森発言に)賛同ということなんだと言われて、頭をガンと殴られた感じになりました」と話し、「辞任しないと(人々の)納得は得られませんよ。組織委の理事会もきちんと判断するべきです」という。
髙橋知典(弁護士)「この国がこうした問題にきちんと対応できるということを世界に示す必要がありますよ。それができないのは恥の上塗り」
西村博之(2チャンネル解説者)「いまや、組織委や理事の問題ですよ」
そこで、「グッとラック!」は組織委の評議員・理事40人に、「森会長の辞任を求めますか」「釈明会見をどう受け止めましたか」というアンケート調査をしたという。リアクションがあったのは13人だけで、しかし、その回答は呆れる内容だった。以下、すべて紹介しよう。
「発言を撤回している」「おわびしたと承知してます」
遠藤利明(会長代行)「(森会長は)発言を撤回している」
山脇康(副会長)「回答できない」
武藤敏郎(事務総長)と布村幸彦(副事務総長)「見解は先日のHPで提出させていただいた通りです」
福井烈(常務理事)「回答できない」
松本正義(理事・住友電工会長)「森会長は反省され、発言を撤回しておわびされたと承知してます」
髙島なおき(理事・東京都議)「取材自体NG」
田中理恵(理事・元体操日本代表)「お答えできません」
中森邦男(理事)「取材はお受けしてません」
成田真由美(理事・パラ競泳金メダリスト)「マネージャーが『心身ともに疲れ切っており、対応できる状態ではありません』」
室伏広治(理事・スポーツ庁長官)「回答を控える」
木村興治(評議員)「回答を控えさせていただきたい」
麻生泰(理事・麻生セメント会長)「秘書が『期日までの対応は(時間的に)難しい』」
東京オリパラ大会の名誉総裁は天皇陛下なのに...
いずれも辞任は求めず、逃げ回るばかりだ。司会の立川志らくは「辞めなさいと言わないのは、言うと自分が辞任させられちゃうんだろうね」と苦笑し、自民党の後藤田正純衆院議員も「(森会長を)余人をもって代えがたいと言っているのは、国から予算を取ってこられるからということで、理事も理事で、周りにいる人もいいとこ取りしてるんですよ」と話している。
理事会と評議員会の合同会合をあさって12日(2021年2月)にも開き、有識者のメンバーから発言についての意見を求めるとしているが、理事には秋元康さん、王貞治さん、蜷川実花さんらもいるのだが、「グッとラック!」のアンケートに無回答だったということだろう。
東京オリンピック・パラリンピック大会の名誉総裁は天皇陛下で、このままでは海外メディアが「女性差別容認の団体に推戴されている」と報じかねないことを政府や組織委は気づいているだろうか。井上裕介(「NON STYLE」)は「森さんがやめることが、オリンピックをやることに一番近づきますよね」という。その通りだろう。