「女性が入る会議は時間がかかる」など、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長発言にきのう9日(2021年2月)、これまで謝罪対応したから解決との立場をとっていた国際オリンピック委員会(IOC)が一転「完全に不適切そのもの」との声明を発表した。日本の恥だ・辞任すべきだ・古い体質と、批判の声がおさまらない。
国会ではきのう、野党の女性議員が抗議の意思を示すため、そろって白いスーツで議場に入り、「女性は黙っていろと世界に向けて叫んだに等しい」「続投でいいのか」と追及した。これに、麻生太郎財務相までが「国益にそぐわない」と答弁したが、肝心の菅義偉首相は組織委員会任せというだけで煮え切らない。学術会議に対しては政府批判の意見を持つ議員を排除したのに、オリンピック組織員会にはとぼけて責任回避かと言われかねない姿勢を続けている。
自民の一部に辞任論はあるが、大勢は擁護論
自民党内にもようやく「女性男性だけの問題ではない」「森会長はご辞任を」の声が少数出始めたが、大勢は相変わらず擁護論が根強く「森氏の人柄からすれば与太話みたいなもの」「ジェンダーなんていったって仕方ないよ」の声ももれる。
街の人に聞くと「今の時代に通用しない」「(森会長の対応は)謝る態度ではない」「世界に恥ずかしい」の批判がつづいた。東京オリンピックのスポンサー企業からも批判が出始めた。
司会の羽鳥慎一「時間を追うごとに影響が大きくなっています」
浜田敬子(元AERA編集長)「擁護する人も同体質と見られ、社会全体が問われています」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「この展開は、初期対応を誤った典型。ご本人に辞めるつもりがあったのに、周りが止めた。それがこんな事態を招いている」
大会組織委員会は12日に理事と評議員の臨時会合を開く予定だが、森会長の進退を決する場ではないという。では、何をする場なのか。あいまいにしてすむ問題ではすでにない。