世界各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が始まっている。主な先進国の開始日は12月8日(2020年)のイギリスを皮切りに、米・加が12月14日、独・仏・伊が12月27日となっているが、日本の開始予定は2月中旬(2021年)と2ヶ月近く遅れている。
なぜ接種が遅れるのか、日本ではワクチン承認が遅れている他、医療従事者の確保、会場確保、運搬管理、回数と予約の管理といった課題を抱えている。
河野太郎行革相は遅れについて先週5日(2021年2月)に「日本の感染状況はだいぶ良い」「承認のプロセスを丁寧にやっている」と政府見解を示している。
英では薬剤師や薬剤技師に資格与え、米は医学生も活用
海外の対応を番組が報告。イギリスでは薬剤師に加え、薬剤技師にも資格を与え、薬局でのワクチン接種も可能になった。医療従事者が不足するアメリカでは医大生を接種現場に動員した。12月19日に接種を開始したイスラエルでは軍が出動する他、ファイザーに2倍の金額を払い、医療データを提供することで早めのワクチン確保を行っている。
日本での接種はどのような形になるのか、番組では再来月から接種を始める東京豊島区を取材した。豊島区では29万人への接種を7ヶ月程度で行う予定だが、病院や医院で行う個別接種の他、区内5カ所の大規模施設で行う集団接種、区民ひろばなど26カ所の地域密着施設で行う巡回接種が予定されているが、医師の確保やワクチン運搬方法、非常用電源確保などの会場整備といった課題は多い。
元厚労省医系技官の木村もりよ氏「米英独露中はワクチンを自国開発したが、日本は国内のワクチン開発が遅れている。日本は感染症危機管理の意識が希薄で、ワクチンを危機管理のツールとして認識していない。海外は国家の危機ととらえしのぎを削っているが、日本はその土台すらなかった」
神田愛花(フリーアナウンサー)「日本での医薬品承認のスピードが遅すぎる」
木村もりよ氏「(接種の遅れだが)医療従事者確保が難しい。医師は重症化対策に確保しているので、すべてを医師がやると終わらない。体育館みたいなところに医師一人がいて医学生や看護学生が打てるようにしないと」
橋下徹「厚労省が一番厳格でルール変更しない。悪いというのは簡単だが、国民の意識がものすごく慎重なので厚労省は及び腰になる」