女性蔑視発言で批判された東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は一時辞任を考えていた。だが一転、続投――。スポーツライターの小林信也氏によると、「記者会見の日に家を出る時には、『やめた方がいいかなというふうに考えていた』と(森会長は)おっしゃっていました」というが、なぜ変わったのか。
きのう7日(2021年2月)の毎日新聞23面に、森会長の会見3時間前の組織委でのやりとりを明らかにしている。見出しには「森氏「説得受け辞意翻す」「発言翌日『辞めるよ』と家を出た」「事務総長『5000人の組織どうなる』」と書いている。
それによると、元々、会長職に未練はなく、いったんは辞任するつもりだったが、武藤敏郎事務総長らの強い説得で思いとどまったという。武藤氏は「会長(辞任は)いけません。ここで会長が辞めれば5000人の組織はどうなりますか」と訴えている。
山口真由「一人でああなったわけではなく男社会の構造的問題」
森氏はIOCのバッハ会長、JOCの山下泰裕会長と信頼関係があり、政府、東京都、地方自治体にも顔が聞く存在だ。そう簡単にやめてもらっては困るわけだ。
組織委はきのう7日、「森会長の発言はオリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切なものであり、会長自身も発言を撤回し、深くお詫びと反省の意を表明しました」とコメントした。
司会の羽鳥慎一「調整力は確かにあると思いますが」
石原良純(タレント、気象予報士)「発言は時代に即していないが、経験者の知恵もある。なにか一つトラブルやミスがある時に許さないという不寛容になっているところが危惧される」
山口真由(信州大学特任准教授)「私もあの発言に悔しいという思いがあり、本音を巧妙に隠して温存していくということには違和感があります。森会長が1人でああなったわけではなく、男社会がいるという構造的な問題を切り込む契機になればといいと思います」
羽鳥「影響は国内だけでなく、世界にも発信されています」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「毎日新聞を読みましたが、浪花節ですよね。発言しなかった人は泣いているんだとか、昭和だよね。30年以上遅れている。さらに恥の上塗りをされた。世界からどう思われるか」
文・一ツ石