1万1000回を超えた「徹子の部屋」
さて、新潮が創刊65周年を迎えて、黒柳徹子をインタビューしている。御年87歳。「徹子の部屋」は1万1000回を超えたそうだが、45年間、病気で休んだことはないという。
この長寿番組の強さの秘訣は、スタッフの入れ替えが少ないことだ。何しろ45年前からのスタッフがまだ1人いて、2年目からと5年目からのスタッフもいるというのである。
さらに、録画撮りだが、カットや編集はほとんどしないそうだ。なぜなら「生の緊張感の大切さ」を大事にしているからだ。わかるな。私にも25年近く続けていたインタビュー連載があった。インタビューで大事なのは事前の下調べと体調である。どんなに予習をしていっても、体調が万全でなければいいインタビューはできない。
黒柳の健康法は寝る前のヒンズースクワット50回というのはよく知られている。これはジャイアント馬場に教えられたという。後はエアロバイクと軽い体操を1時間。
睡眠時間は11時から朝の10時まで。途中起きたら白湯と一切れのチョコレートを食べて、また寝る。目標はあと5年で来る『徹子の部屋』50周年。お元気で~!
同じ新潮に、2000年に大きな話題になった「新潟少女監禁事件」の犯人・佐藤宣行が、14年の懲役を終えて2015年に出でてきたが、1年前に、千葉県内のアパートで死んでいたというルポを掲載している。
「あの人は今」である。こういう記事は昔はどの週刊誌にも載っていた。記者や編集者は、こうした記事をやることで取材力を磨き、編集力をつけていったのである。だから今の記者は編集者はとはいうまい。
誘拐・監禁された小学校4年生の少女が解放された時は19歳になっていた。新潮によると、佐藤は出所してからも仕事には就かず、生活保護をもらって部屋にこもり、仕事仲間も近所付き合いもなかったという。
だが、アパートの大家は知っていた。こうした"性犯罪"者は再犯率が高いといわれる。出所しても社会に適応できず、うつうつとしているうちに、再び同じようなことを繰り返してしまう。
佐藤は、部屋でスカパーを見ながら、何を考えていたのだろう。母親も死に、監禁していた家は放置されたままだという。
ところで、私は知らなかったが、年金が4月分(6月支給)から減額されるという。
ポストによれば、減額幅は「0.1%」。厚生年金のモデル世帯(夫婦で年金の月額が約22万円)では、1カ月当たり228円減ることになるという。
現役世代の賃金が下がったからという理由だそうだ。これぐらいはと高をくくっていてはいけないそうだ。
たとえば、コロナ不況で実質賃金変動率がマイナス1%になれば、来年6月の支給分から、夫婦の年金額は1カ月当たり約2200円、マイナス2%なら、毎月約4500円削られる計算になるという。
冗談ではない。それだけ減らされたら、楽しみにしている「すき家」の牛丼を月1回にしなくてはいけない。
銭湯も月に1回か。Wi-Fiもやめるか。スマホをガラケイに替えるか。
株高で、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は儲かっているはずだぞ!
俺たちに分配しろ! 麻生太郎よ、年金目減り分を補てんしろ! そう叫びたくなる。
最後に、スクープもいいが週刊誌の楽しさは連載コラムにある。今週は週刊朝日とサンデー毎日に載ったコラムが目についた。
サン毎では競馬評論家・井崎脩五郎の「予想上手の馬券ベタ」にこんな話が載っている。漫談家のケーシー高峰がこういっていた。「やはり、男女の交わりの基本は正常位です。アメリカではそれを歌でも教えています。ご存じですよね。正常位よ永遠なれ」。ケーシーはこういうジョークがうまかった。
週朝では、嵐山光三郎が「コンセント抜いたか」で、JR四ツ谷駅から自宅のある国立まで行く間の、尿意との七転八倒ぶりを達者な筆で書いている。私にも何度か経験があるが、トイレに駆け込むまでの地獄のような苦しみを乗り越え、駆け込んで放尿した時の解放感は忘れがたい。
テレビでも宣伝している「尿漏れパンツ」を買おうかと真剣に思っている。
同誌で元経産官僚の古賀茂明が「政官財の罪と罰」で、テレビ朝日の『報道ステーション』を、「番組スタッフさえ『忖度ステーション』と呼ぶ」と書いている。さらに、日本の民主主義を危機から救うには、「官邸や与党の記者クラブを即刻廃止し、政治部を解体することが必須」だといっている。同感だ。