新型コロナで今夏の東京五輪・パラリンピック開催が危ぶまれるなか、よりによって大会組織委員会の森喜朗会長(83)が足を引っ張る失態をしでかした。女性蔑視発言が報じられ、きのう4日(2021年2月)、会見を開いて発言を撤回したが、世界中から批判の声が続出している。
森会長はおととい3日(2021年2月)の日本オリンピック委員会(JOC)の会議で、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言。これが女性蔑視だと批判の声が高まり、きのう4日の会見では「深く反省している」「撤回させていただく」と釈明した。ただし、辞任は否定し、「最近あまり女性と話していないから」「さあ、あなたはどう思いますか」などと記者の追及をはぐらかしたり、「そういう話は聞きたくない」「面白おかしくしたいから聞いているんだろ」などと声を荒げたりする場面もあった。
森会長の失言や謝罪会見は、「東京五輪会長、女性は会議で発言しすぎて"迷惑"」(米ワシントンポスト紙)、「会合で女性差別発言」(英ロイター)、「性差別の高速道路を時速320㎞で走っている姿が捉えられた」(仏ヴァンミニュッツ紙)、「謝罪会見で『最近あまり女性と話さない』とさらなる墓穴を掘った」(フランス24)などと、海外メディアでも厳しい論調で報じられている。
「五輪開催をさらに困難に」と米通信社記者
IOC委員のカナダのヘイリー・ウィッケンハイザー氏(元アイスホッケー女子カナダ代表)は「絶対に朝食会のビュッフェでこの男性を追い詰めます。東京で会いましょう!」と自身のツイッターで発信。「とくダネ!」が取材した米AP通信のスティーブ・ウェイド記者も「愚かな発言だ。パンデミックの中、このオリンピックを開催するのがとても難しいということは世界中誰もが知っている。彼の発言は開催をさらに困難にしているだけだ」とあきれていた。
司会の小倉智昭「きのうの謝罪会見は、逆に居直り会見のようでした」
中瀬ゆかり(新潮社出版部部長)「森さんはこれまでも女性に対して問題発言がたくさんあった人。きのうの会見でも、根本的に何が悪かったのか本人はわかっていないような気がしました。腹が立つのを超えて、もの悲しさを感じましたね」
当の森会長はきのう4日夜のフジテレビのBS番組に生出演。失言騒動を心配して書いてくれたという孫娘の手紙を手に、「これを読んでいたらかわいそうになってね...」などと他人事のように話していた。