菅首相が頭を痛める長男が後援者企業で総務省との窓口に。許認可権持つ総務省高級官僚を違法接待した一部始終を「文春砲」がとらえた! 小川彩佳アナの100億円夫の「産後不倫」写真も

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   バカな子供ほどかわいいとよくいわれる。文春の報道を読む限り、菅首相も例外ではないようだ。

   彼には3人の子供がいる。一番能力を買い信頼しているのは次男だそうで、大学卒業後は大手総合商社に就職している。三男は法政大学のアメフト部で活躍し、大手ゼネコンにいる。菅が頭を痛めていたのが長男・菅正剛だったそうだ。

   横浜で生まれ、逗子開成高校から明治学院大に進み、ミュージシャンを目指して活動していた。そんな長男の行く末を心配したのだろう。第一次安倍政権で総務大臣として初入閣した菅は、彼を大臣秘書官に抜擢した。正剛が25歳の時だった。

   菅は「週刊プレイボーイ」(2009年6/22日号)で、秘書を選挙に出してしまって人がいなかったから、ブラブラしていた長男を採用したと語っている。

   その後、菅と同じ秋田県出身で有力後援者である「東北新社」(映画・CM製作や衛星放送事業などを行っている)創業者・植村伴次郎の鞄持ちとして預けている。

   この男ただの鞄持ちではない。入社時から映画専門「スターチャンネル」などの衛星放送事業に関わってきたという。昨年5月にはエンタメコミュニティ統括部長に就任しているが、社員は、「上層部から期待されている彼の"特命任務"は、総務省幹部とのパイプ役」だといっている。

   それはそうだろう。なにしろ「総務省の官僚人事は、菅氏が官房長官時代から、杉田和博官房副長官が菅氏に相談した上で、『こいつは駄目だ』と事務次官に告げるという流れで行われてきている」(元総務官僚)、菅の"天領"といわれる省庁なのである。

   総務省の許認可で事業を飛躍させてきた「東北新社」にとっては願ってもない人間だった。

   こうした自分の立ち位置を理解しながらも、総理への階を駆け上っていく父親の邪魔をしないようにと考えるのが、普通の息子のはずだが、この子はそうは考えなかったようだ。

   文春は、昨年10月から12月にかけて、菅正剛が総務省の幹部らを接待し、手土産とタクシーチケットを手渡している現場をカメラに捉えたのである。

   10月7日、人形町の料亭で菅、社長の二宮清隆、子会社社長の三上義之らと懇談したのは、次期総務省事務次官の呼び声が高い谷脇康彦総務審議官。菅首相の携帯電話値下げの旗振り役といわれる。

   12月8日に六本木の料理屋に現れたのは吉田眞人総務審議官。帰りに「乃が美」の高級食パンとタクシーチケットを渡す。吉田が乗ったタクシーの運転手が、「お客さんはタクシーチケットを利用した。金額は5400円」と答えている。

   12月10日に同じ料理屋に来たのは衛星放送の許認可権を一手に握る情報流通行政局の秋本芳徳局長。カウンターに座って、菅が秋本に、「今度ササニシキを送ります」と話していたという。帰りに高級チョコ「レオニダス」とタクシーチケットを渡す。「東北新社」のメディアサービスの社長がゴールドカードで支払うところを確認。

   12月14日に南麻布の鮨屋に呼んだのは、秋本の部下の湯本博信官房審議官。天現寺カフェで購入した手土産とタクシーチケットをもらうもこの人、電車を乗り継いで帰宅。

   文春の凄いのは、手土産とタクシーチケットを手渡すところを全て、写真に撮っていることだ(グラビアページに掲載)。

厳しい処分が必須のはずだが...

   利害関係のある業者から奢ってもらってタクシーチケットまでとなれば、当然、「国家公務員倫理法に基づく国家公務員倫理規程第三条六が定める禁止行為『供応接待を受けること』にあたり、違法行為に該当します」(国際基督教大学の西尾隆特任教授)

   文春は4人を直撃しているが、谷脇は「まったく覚えてない」、吉田は取材拒否、秋本は「うーん、記憶にないですね」というが、湯本は自宅で取材に応じている。

   「言われてみると、確かに東北新社もうちの事業者であることは間違いないわけだし」と利害関係者だと認めている。タクシーチケットは「たぶん、返したと思うんですけど」。

   では、当事者である菅正剛はどうか。横浜のみなとみらいに聳え立つ27階建ての億ションから出てきたところを直撃すると、「プライベートなんで」と逃げてしまった。

   総務省は、4人が先方からの求めに応じて会食したことを認め、飲食代、手土産、タクシーチケットについては費用を負担し、利害関係者だから、割り勘だとしても自己負担が1万円を超える時は倫理監査官に届けなければいけないので、本日(文春が取材を申し込んだ2月2日)届を行ったと答えている。

   2005年に郵政行政局長が利害関係者であるNTTコミュニケーションズの幹部からタクシーチケットをもらったとして、国家公務員倫理法違反で処分されているから、総務省も4人に厳しい処分を下さなければならないはずだ。接待側の「東北新社」は認可取り消しか出入り禁止か。

   菅事務所は「接待について承知していない」と答えているが、息子だからといって、大甘の処分では国民が納得しない。さ、どうする菅首相。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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