新型コロナウイルス感染への不安から、医療機関の受診を過度に控える「受診控え」が問題になっている。12月(2020年)の調査では、持病がある人のうち、コロナ禍で定期受診(通院)を控えたという人が14%だった。がん検診受診者も、2020年は前年と比べて大幅に減っていた。
松岡忠幸アナウンサー「事態があまりにも深刻だということで、厚生労働省や医師会が警鐘を鳴らしているんです」
受診控えによって、持病の症状が悪化したり、症状を見逃して病気の発見が遅れたりするケースが増えているという。救急医療の現場では、心筋梗塞のサインの一つである胸の痛みを放置した結果、心破裂で亡くなってしまうケースや、糖尿病の服薬を数か月中断し、脳卒中や心臓病などを引き起こしたケースが報告されている。
虫歯の悪化も増えているそうだ。
松岡アナ「実は私もなんです。歯医者の受診を控えていたらいよいよ前歯に黒い穴が開いてしまって、仕方なく病院に行ったら、『奥歯、神経まで行ってます』と。もう少し早く来てくれたら簡単に治療できたのにと言われました」
外来の待合室・診察室での感染クラスターは報告されていない
東京都医師会の角田徹副会長「私のクリニックでも、毎年検診を受けていた方が来なかったり、定期的に通院していた方がずっと来なかったりして、症状が進んじゃったり、歩けなくなった方もいらっしゃいます」
受診によるコロナ感染のリスクが心配だが、角田さんによると、外来の待合室や診察室でのクラスターは今のところ報告されていないという。
博多大吉キャスター「病院でクラスターが、みたいなニュースは何回か目にしたことがあるんですけど...」
松岡アナ「それはあくまで入院した病棟での院内感染なので、外来に来ている患者同士での感染や、外来の医師や看護師、器具から患者にうつったケースは報告されていないということなんです」
角田さん「発熱した患者さんとその他の患者さんは分けて診察していますし、医療スタッフも患者さんもみんなマスクして手洗いして、換気や適正な消毒もしているので、安心して受診していただければと思います」