新型コロナウイルスのワクチン接種の現場となる各地の自治体で準備が本格化しているが、番組が自治体にアンケートをしたところ、「65歳未満への接種は7月になる」「今年中に接種が終わるかどうか」といった声も聞かれた。
河野太郎・ワクチン担当相は1日、ワクチン接種に関する国から自治体への補助上限額が倍増することを明らかにした。接種予算は1362億円。
厚労省のスケジュール案では、医療従事者ら約400万人には2月終わりから、65歳以上の約3600万人には4月にも開始するとされ、6月にも全国民に提供できる量が確保される、としているが、自治体の対応が間に合うか。
番組が、東京23区と関東6県の県庁所在地に緊急アンケートしたところ、「高齢者の4月開始」については、ほぼすべての自治体が「調整できそう」と答えたが、「65歳未満の一般向け接種」がいつ始められるか、については「未定、分からない」との回答がほとんどだった。
接種受けたいと「強く思う」人、日本は17%で主要国で最低?
なかには、「ワクチンの供給量が分からないため、目途が立たない」と言う担当者も。「国が細かいスケジュールを出してこない」「先行して準備したいが、不確定要素が多すぎてできない」といった声も聞かれた。「接種券」の印刷内容が変更になる可能性があったり、集団接種用の会場を確保しても、ワクチン供給量によっては変更になる可能性もある。
昭和大の二木芳人・客員教授「(年齢が高い人から始めるなど)2段階、3段階になるのかなど、具体的には、私たちにも始まってみないと、わからないところが多い。打ち方についても都道府県に丸投げに近い」
キャスターの小倉智昭キャスター「ワクチンを楽しみにしている人は多いと思うんですが、一方では不安な要素も多すぎて、躊躇するよね」
さらに「五輪をどうするのか、はっきり決めないと。日本人だけか、無観客なのか。医療従事者はどれだけ五輪にさけるのか...」。開会式は7月23日だ。
調査会社の主要15か国での調べでは、ワクチン接種について、接種を受けたいと「強く思う」は、日本では最低の17%、「やや思う」も合わせて64%と低かった。
二木教授「日本人は安全性を心配する。ヨーロッパは感染症と闘ってきた。日本では、少しの問題があっても、政府がブレーキをかける」
東京五輪開催の決着先延ばしは、ワクチン接種にも影を落としている。
文・栄